雨のなかでも距離を合わせろ！

• Tanso Final 1st

  川島 将貴 ( Link Racing Project ) マークⅡ [ JZX100 ]

  

  「3本目は、スポッター(D1GPドライバーの時田雅義)の指示どおりビッチリいきました。ねらったとおりです！」という川島が、ねらいよりも行き過ぎたのではないかというような走りで1位通過した。

• Tanso Final 2nd

  増田 和之 [ JZX100 ]

  

• Tanso Final 3rd

  山口 孝二 [ S14 ]

  

 　D1東日本シリーズの開幕戦は日光。しかし4月下旬にもかかわらず気温は低く、前日から降りつづいた雨のなか競技がスタートした。
　単走決勝のあいだは多少降りが弱まることはあったが、おおむね雨が降りつづき。滑る路面に苦労するドライバーも多かった。ドライ路面のときよりも抑えて走らなければいけないが、抑えすぎていると点が伸びない。また振り出しが決まらない、ドリフトがもどる、フラつきが大きいといった理由で減点されるドライバーが多かった。
　振り出しやスピードなどにいい要素を持っていても、どこかでミスをしてしまい、3本の走行のいずれもまとめられない選手も見られた。
　得点の下位選手にわりあい共通して見られたのは、振り出しからコーナーまでの距離感があっていないこと。逆に上位選手は、スピードをのせつつ、振り出しを一発で決めて距離をきっちり合わせてきた。いっぽうボーダーライン付近の選手は、距離感はあっていないが、なんとかごまかしてドリフトをまとめたという走りが多かった。
　そのなかで川島は、3本目の走行でスパンと振り出し、飛び出すかと思うほどの勢いで飛び込みながらも、ラインにのせてドリフトをコントロールし、最高得点をマークした。また、増田、斉藤(則)、川村、浜川ら、日光を走り慣れているドライバーが多く上位に入った。

• Pick Up It !!

  伊東 修平 [ PS13 ]

  

  D1地方戦セントラルディビジョナルシリーズのチャンピオンであり、D1地方戦全国大会でも準優勝した伊東。今期からマシンをレギュレーションに合わせて外装もリフレッシュしてステップアップ。しかし、ウェット路面に合わせて走りをまとめられることができず…。

• Pick Up It !!

  木賊 光児 [ RPS13 ]

  

  D1地方戦イーストディビジョナルシリーズでチャンピオンを獲得し、すでにD1ストリートリーガルシリーズへのステップアップも間瀬で果たしている木賊。前日練習から走り込んでおり、いい感触を掴んでいたようだったが、本番で得点を伸ばすことはできなかった。

単走決勝 結果

もどらないこと、ながされないこと、スピンしないこと

• Final Battle

  高宮 悠樹 マークⅡ [ JZX110 ] vs 福田 大輔 レビン [ AE85 ]

  

  高宮は追走で圧倒的な強さを見せたわけではないが、毎回きっちりラインをトレースし、ドリフトのもどりやスピンをしないで走りきった。

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 　単走決勝終了後から雨が止み、追走トーナメントはドライ路面で行われた。しかし、いきなりのドライ路面には走りを合わせられない選手が続出。とくにベスト16では、オーバーラン、アンダーステア、スピンで勝負がついた対戦が多かった。
　昨年の後半2連勝していて、日光を走り慣れている浜川が、後追いでミスをしてベスト16で敗退。また日光を得意とする、伊藤、増田といったD1SLドライバーもベスト8で敗退した。
　ベスト4に勝ち上がったのは、高嶋、高宮、福田、戸田の4名。このなかで福田をのぞく3人がベスト4初進出で、この時点でだれが勝っても初優勝というフレッシュな顔ぶれになった。
　準決勝では、まず先振りから高宮のインを差そうとした高嶋が、2コーナーで大きくインカットをしてしまい高宮の勝ち。福田vs戸田は、戸田が後追いの振り出し時に大きくコースアウトしてしまって福田の勝ちとなった。
　決勝は高宮vs福田。1本目は1コーナーで高宮に接近していった後追いの福田が1コーナーで流され、大きく距離を開けられて、高宮アドバンテージ。2本目も高宮はノーミスで走りきり、けっきょくベスト16から決勝まで、大きなミスなく追走を戦った高宮が初優勝を果たした。

• Pick Up It !!

  福田 大輔 [ AE85 ] vs 戸田 桂輔 [ S14 ]

  

  去年からD1東日本シリーズに出場するようになった青森県出身の戸田。まだ18才で教習所に通っているという若手だが、D1GPやD1SLで活躍する小橋正典の弟子というだけあり、単走も追走もかなりのテクニックだ。今回は追走でも思い切りのいい飛び込みを連発し、樽見や山口といったベテランを撃破。福田には惜しくも敗れたが3位入賞を果たした。

• Pick Up It !!

  高嶋 健市 [ JZX100 ] vs 高宮 悠樹 [ JZX110 ]

  

  昨年も追走に進出している高嶋(写真奥)は、今回も危なげなく追走に進出すると、ベスト16では単走決勝1位の川島を倒すと、つづくベスト8の菊地戦では相手よりも大きな角度で進入してアドバンテージを得て勝ち上がった。ベスト4では高宮と対戦。後追い時に先振りを決めるが、その後のライン取りでイン側に入り込んでしまい、2コーナーで大きくインカットして敗退した。

• Pick Up It !!

  浜川 輝夫 [ PS13 ] vs 福田 大輔 [ AE85 ]

  

  昨シーズンは後半に2連勝してランキング2位を獲得した浜川輝夫(写真右)は、今回も前日の練習会から好評価でウェット路面でも安定したパフォーマンスを発揮していたため優勝候補として注目されていた。しかし、追走ベスト16で福田と対戦したとき、再戦のすえ、攻め過ぎからの戻りで敗退。ホームコースでスタートダッシュを決めることは叶わなかった。

• Pick Up It !!

  山口 孝二 [ S14 ] vs 戸田 桂輔 [ S14 ]

  

  D1SLにも年間参戦している山口孝二。D1東日本シリーズでは、去年の茂原ぶりとなる追走進出を果たし、ベスト16では柳下と対戦して追走初勝利を決めた。つづく戸田戦では先行時に2コーナーで大きく流されアドバンテージを獲られると、入れ替えた2本目でがんばったが1本目の差を詰めることができず敗退。6位入賞という結果だった。

高宮 悠樹

Magician with KarZ! with EVOLEX
マークⅡ [ JZX110 ]

　2週間前にEVOLEXっていうオイルの大会がありまして、そこで2位をとって自信つけてきて。ちょうどそのときも雨だったんですけど、すごくよくて、セットアップもよくて、みんなにサポートしてもらって今日来たんですけど、すごく自由に走れましたね。今日は雨のときから調子よかったです。13位かなんかだったんですけど、それはちょっと抑えて、スピンしてもいけないんで。3本はきっちりまとめちゃおうと思って。それは作戦どおりかな。
　追走から路面がドライに変わったのも、ぜんぜん問題なかったですね。マシンのセットアップが、両方ともいける状態だったんで。それはもうぜんぜん大丈夫です。追走では、失敗しないように、戻らないようにっていうことを心がけました。それと運がよかったのかな、と思いますね。決勝は(1本目に相手がミスをしていたことが)スポッターから連絡が入って「ミスなく行けよ」っていう指示があって。4人スポッターがいるんで、みんなにいわれてたんで、戻らないように。戻らなければ勝てるよ、っていわれて。いつもどおりに走ったっていうかんじですね。
　優勝したのは、いか天以来なんですごく嬉しかったですね。でも嬉しいですけど、まだまだ上のひとはいるんで。今日はみんなに助けられた部分もあるので、これからもがんばりますよ。

• The 2nd Place

  福田 大輔 [ AE85 ]
  STEALTH with Team RED

  

  (決勝のミスは?) ちょっと振りおくれちゃって、詰まりすぎちゃったんですよ。で、ぶつからない措置をとったら後ろにまわっちゃったっていう…。緊張はなかったんですけど…自分の実力は出せたかなと思います。でも、悔しいです、かなり。

• The 3rd Place

  戸田 桂輔 [ S14 ]
  Team MSP

  

  (準決勝は?) 後ろで詰まりすぎちゃって、振り出しでフェイント入れたときにケツ出ちゃったんですよね。それでアンダー出て、そのままボカーンってコースアウトしちゃったんです。経験不足ですね。

• The 4th Place

  高嶋 健市 [ JZX100 ]
  Team kazama with ken works

  

  (準決勝は?) ストレートで捕らえたんで、行けると思ったらちょっと高ぶっちゃって。ちょっと先振りしすぎたんです。それで小さくなっちゃって。冷静にいけばいけたと思うんですけどね。やっぱりその組み立てが……。またこれから勉強ですね。

最終順位