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日曜日 レポートSun. Report
単走Tanso
Tanso 1st Place
E. Losev ( AUTOPROFI ) MARKⅡ [ JZX81 ]
4対戦目のエフゲーニイ・ロセフは、鋭い振り出しから安定しつつも迫力ある豪快な踏みっぷりを見せ、単走での最高得点となる99.17点を獲得。あとに走った日比野が第1セクターで基準を超える飛び込みを決めたものの、その直後にクラッシュしたこともあって、ロセフがRDSに貴重な2勝目をもたらした。
Pick Up Battle !!
日比野 哲也 SUPRA [ JZA80 ]
ロセフのあとに走行した日比野は、思い切った角度の大きな飛び込みをしてきたが、その直後に大きく戻ってしまいクラッシュパッドにズドン! この戦いはロセフが勝ち、4戦終わった時点で2勝2敗の展開となってしまった。
9月16日(日)、2018年アジアパシフィックD1プリムリンググランプリの2日目は、D1GP選手8名とRDS選手8名によるチーム戦がおこなわれた。
争われる競技は、単走、シンクロ、追走の3種目で、単走で勝ち越したチームは追走の対戦順を相手チームのオーダーを見てから決めることができ、シンクロで勝ち越すと追走での先行後追いを選ぶ権利が与えられ、追走で先に8勝したチームが最終的な勝者となる方式だ。
例年では単走のおこなわれる午前中はやや空席があり、午後の追走になってから満席となる状況だったが、この日はD1GP vs RDSの注目度の高さに加えて日曜日ということもあり、単走まえのオープニングセレモニーから観戦スタンドは満席状態! 追走がはじまるころには観戦スタンドのスキマにも観客が鈴なりになって、大観衆のなか競技がおこなわれたのだ。
まずおこなわれたのは単走。ここではそれぞれの対戦で得点の高かった選手が勝ちとなり、8戦終了した時点でどちらのチームが勝ち越しているかで勝敗が決定される。
先鋒戦となったマクシム・セディフと齋藤太吾の対戦では、セディフが悪くない走りで97点台を出したものの、齋藤が豪快な飛び込みから各セクターで走りをまとめあげ、98.87点を出して勝利。D1GPチームが1勝を先取して戦いがスタートした。
つづくアンドレイ・ペセーゴフと畑中真吾の戦いは、本調子ではない畑中が僅差で敗れ、イリヤ・フョードロフと末永正雄の勝負は、98.97点を出した末永が勝った。
そして4戦目ではエフゲーニイ・ロセフが99点台を出したあと、日比野がムリをしてしまったか、クラッシュで敗退。前半4戦が終わって2勝2敗という互角の勝負で後半戦に進むこととなった。
「早ければ5戦で勝負がつくからね」と監督の鈴木学がいうように、調子のいい選手を5戦目と6戦目に配置したD1GPチーム。これはRDS側も同様だったようで、5戦目にゴーチャ、6戦目にアルカーシャと強力な選手を配置してきた。
D1GPチームの5戦目は川畑真人で、ここは両者クラッシュで終わったが第1セクターの得点で川端が勝つと、つづく6戦目も横井昌志がアルカーシャを下して4勝2敗でD1GPチームがリーチをかけた。
これで流れをつかんだD1GPチームが、つづく7戦目で藤野秀之があぶなげなく勝つと、8戦目でも植尾勝浩がややミスりながらも96点台を出して勝利! 最高得点こそRDSのエフゲーニイ・ロセフに奪われたものの、D1GPチームが単走競技での勝ち越しを決めた。
Pick Up Battle !!
齋藤 太吾 CORVETTE [ X245A ]
初戦はマクシム・セディフと齋藤太吾の戦い。セディフが安定した走りで97点台を出すも、齋藤はすべてのセクターでセディフをうわまわる走りを決めて98.87点を獲得。D1GPチームに勝ち星スタートをもたらした。
Pick Up Battle !!
A. Pesegov SKYLINE [ HCR32 ]
2戦目。畑中との対戦となったアンドレイ・ペセーゴフは、第2セクターこそ23点台だったものの、そのほかのセクターを高得点でまとめあげて97.36点を獲得。畑中が第1セクターで点を伸ばせなかったこともあり、ペセーゴフが勝った。
Pick Up Battle !!
末永 正雄 GT-R [ R35 ]
3対戦目はイリヤ・フョードロフと末永正雄の勝負。フョードロフもわるくはなかったが、振りの鋭さが足りなかったのか得点は97.36点。いっぽう末永は一気に角度をつける飛び込みで、99点まであとわずかとなる98.97点を出して勝利。
Pick Up Battle !!
G. Chivchan SILVIA [ S15 ]
5対戦目。ゴーチャは140km/h台の車速から一気に角度をつける振り出しを決めてきたが、第2セクターに入ったところで大アンダーからクラッシュ! マシンへのダメージは大きくなかったものの、25.48点という結果になってしまった。
Pick Up Battle !!
川畑 真人 GT-R [ R35 ]
ゴーチャが第1セクターでクラッシュしたため、フツーに走れば勝てるという状況だったが、D1GP単走番長の川畑が150km/hオーバーの速度で振り出してきた。結果、川畑も第1セクターでクラッシュしたものの26.41点を獲得。ゴーチャとの第1セクター勝負で川畑が勝った。
Pick Up Battle !!
藤野 秀之 180SX [ RPS13 ]
7戦目。藤野と対戦したアントン・スバリンスキーはミスって70点台だったこともあり、きっちりと走りをまとめた藤野が97.74点で勝利! これでD1GPチームの5勝目が決定し、この時点で勝ち越しが決まった。
No. | RDS Driver | Score | vs | Score | D1GP Driver | No. |
R4 | M. Sedykh | 97.26 | × - ○ | 98.87 | 齋藤 太吾 | D8 |
R2 | A. Pesegov | 97.36 | ○ - × | 96.58 | 畑中 真吾 | D4 |
R6 | I. Fedorov | 97.36 | × - ○ | 98.97 | 末永 正雄 | D6 |
R8 | E. Losev | 99.17 | ○ - × | 25.18 | 日比野 哲也 | D7 |
R3 | G. Chivchan | 25.48 | × - ○ | 26.41 | 川畑 真人 | D1 |
R1 | A. Tsaregradsev | 97.36 | × - ○ | 98.43 | 横井 昌志 | D3 |
R7 | A. Svarinsky | 70.56 | × - ○ | 97.74 | 藤野 秀之 | D2 |
R5 | D. Ermohin | 66.13 | × - ○ | 96.53 | 植尾 勝浩 | D5 |
シンクロSynchro
Pick Up Battle !!
D1GP A TEAM ( 末永正雄・川畑真人・藤野秀之 )
ひと組目の対戦では、末永正雄、川畑真人、藤野秀之の3名がキレイに揃ったトリプルを披露! 1本目は審判員加点を含めて299.27点だったが、2本目はさらに完成度を高めた走りを決め、304.56点を獲得。RDSのAチームも得点を伸ばしてきたが、わずかにおよばずD1GPチームが1勝を決めた。
RDS A TEAM ( A.Pesegov・I.Fedorov・D. Ermohin )
アンドレイ・ペセーゴフ、イリヤ・フョードロフ、ドミトリー・イエルモーヒンで構成されたRDSのAチーム。1本目からまとまった走りを決めてきたが、ややおたがいの距離が離れていたため得点は伸びず。2本目はDOSS得点を伸ばしてきたが、最高得点はD1GPのAチームの2本目にはおよばなかった。
つづいておこなわれたのは、3名ひと組みになって3台同時に走行し、どれだけ揃ってキレイに合わせられるかを競うシンクロ。3名それぞれのDOSS得点に、審判員が揃っているかどうかなどの見た目の芸術度を20点満点で採点し、これらを合計したものが得点となる。
また、それぞれの組みはウォーミングアップ走行のあと2本の本番走行があるため、1本目よりも2本目に完成度の高い走りを決めてくることが多かった。
最初の2対戦は走行選手があらかじめオーダーされており、1勝1敗になって3戦目にもつれ込んだ場合に、各監督がその場で最終組みとなる選手3名を選出して最後の戦いに挑むことになる。
最初の対戦は、D1GPのAチームとして、末永正雄、川畑真人、藤野秀之が、RDSのAチームとして、アンドレイ・ペセーゴフ、イリヤ・フョードロフ、ドミトリー・イエルモーヒンが走行した。
1本目から完成度の高い走りを決めたD1GPのAチームに対し、RDSのAチームはわずかにおよばない。2本目も同様の展開でそれぞれ得点を伸ばしてきたが、D1GPチームが1勝を決めた。
そしてふた組み目。D1GPのBチームは、日比野哲也、横井昌志、齋藤太吾の3名に対し、RDSのBチームは、ゲオルギイ・チフチャン、エフゲーニイ・ロセフ、アルカーディ・ツァレグラツェフと、RDSでもシリーズトップスリーを占めた強豪メンツで構成してきた。
まずはD1GPチームからの1本目は、第4セクターからの振り返しで先頭の日比野のケムリにまかれてしまった横井が位置どりをミスってハーフスピン! これに最後尾の齋藤が接触してしまう。
いっぽうのRDSチームはさすがのまとまりで、305.89点を獲得。さらに2本目は審判員が18点という高得点をつける揃いっぷりのシンクロ走行を決め、309.92点を出してD1GPチームを圧倒! 1勝1敗のイーブンに持ち込んだ。
最後は、末永正雄、日比野哲也、川畑真人のD1GPチームと、アンドレイ・ペセーゴフ、ゲオルギイ・チフチャン、アルカーディ・ツァレグラツェフのRDSチームの対戦だ。
1本目は無難に成功させたD1GPチームが298.21点を出したのに対して、RDSチームは先頭のペセーゴフが第2セクターでスピン! 後続のゴーチャとアルカーシャはなにごともなかったようにクリアしていったが、これが223.23点となり、まずはD1GPチームがリード。
2本目、D1GPチームは1本目よりもDOSS得点を伸ばすことに成功したが、審判員得点はのばせず、1本目の得点がベストスコアとなる。いっぽうRDSチームの2本目は、DOSS得点もまずまずなうえ、3台がキレイに揃った走りを決めて299.53を獲得。最後の最後で逆転したRDSチームがシンクロで勝ち越しを決めた。
Pick Up Battle !!
D1GP B TEAM (日比野哲也・横井昌志・齋藤太吾)
ここで勝てばその時点でシンクロの勝ち越しが決まるD1GPチームだったが、1本目の第4セクター直後に横井が齋藤と接触! 2本目は得点を伸ばしてきて298.34点を獲得したが、RDSチームの完成度にはおよばず、1勝1敗の状況になってしまった。
Pick Up Battle !!
RDS B TEAM (G.Chivchan・E.Losev・A.Tsaregradsev)
1本目から305.89点でD1GPチームを圧倒していたRDSチームだが、2本目はさらに完成度の高い走りを披露! 先頭のゴーチャは単走でも高得点となる98.63点を出し、後続のロセフとアルカーシャも近い距離で追随。18点と超高得点となる審判員加点も獲得して合計309.92点で勝利を決めた。
Pick Up Battle !!
RDS C TEAM (A.Pesegov・G.Chivchan・A.Tsaregradsev)
1本目は得点を伸ばせなかったRDSチームだったが、2本目はやや最後尾のアルカーシャが遅れたものの、第2セクターまでには近づいていき近い距離でのシンクロ走行を決める。これが1本目のD1GPチームの298.21点を抜く299.53点をマーク。逆転でRDSチームが2勝し、勝ち越しを決めた。
No. | D1GP Driver | Score | Judge | Total | vs | Total | Judge | Score | RDS Driver | No. | ||
D1GP A |
D6 | 末永 正雄 | 97.09 | 13.00 | 299.27 | ○ - × | 298.24 | 12.50 | 96.61 | A. Pesegov | R2 | RDS A |
D1 | 川畑 真人 | 95.17 | 96.11 | I. Fedorov | R6 | |||||||
D2 | 藤野 秀之 | 94.01 | 93.45 | D. Ermohin | R5 | |||||||
D6 | 末永 正雄 | 96.55 | 14.50 | 304.56 | 300.92 | 12.50 | 97.96 | A. Pesegov | R2 | |||
D1 | 川畑 真人 | 97.06 | 96.11 | I. Fedorov | R6 | |||||||
D2 | 藤野 秀之 | 96.45 | 94.35 | D. Ermohin | R5 | |||||||
D1GP B |
D7 | 日比野 哲也 | 98.09 | 10.00 | 259.98 | × - ○ | 305.89 | 15.50 | 97.92 | G. Chivchan | R3 | RDS B |
D3 | 横井 昌志 | 81.81 | 95.34 | E. Losev | R8 | |||||||
D8 | 齋藤 太吾 | 80.08 | 97.13 | A. Tsaregradsev | R1 | |||||||
D7 | 日比野 哲也 | 98.39 | 12.50 | 298.34 | 309.92 | 18.00 | 98.63 | G. Chivchan | R3 | |||
D3 | 横井 昌志 | 95.35 | 96.60 | E. Losev | R8 | |||||||
D8 | 齋藤 太吾 | 92.10 | 96.69 | A. Tsaregradsev | R1 | |||||||
D1GP C |
D6 | 末永 正雄 | 97.46 | 12.00 | 298.21 | × - ○ | 223.23 | 10.00 | 56.98 | A. Pesegov | R2 | RDS C |
D7 | 日比野 哲也 | 96.71 | 94.60 | G. Chivchan | R3 | |||||||
D1 | 川畑 真人 | 92.04 | 71.65 | A. Tsaregradsev | R1 | |||||||
D6 | 末永 正雄 | 97.22 | 19.00 | 296.74 | 299.53 | 11.50 | 96.94 | A. Pesegov | R2 | |||
D7 | 日比野 哲也 | 96.07 | 96.34 | G. Chivchan | R3 | |||||||
D1 | 川畑 真人 | 94.45 | 94.75 | A. Tsaregradsev | R1 |
追走Tsuiso
Pick Up Battle !!
川畑 真人 GT-R [ R35 ] vs G. Chivchyan SILVIA [ S15 ]
RDSが7勝、D1GPが5勝で迎えた13戦目。テスト用に持ち込まれていたR888RDを履いたゴーチャに対し、あとがないD1GPチームは川畑を投入したが先行の1本目にガッツリと入り込まれ、ゴーチャが2ランクのアドバンテージ。そして入れ替えた2本目、レベルの高い走りを決めるゴーチャに後追いの川畑は入りきれず、ゴーチャが勝ってRDSチームの勝利が確定した。
ついにはじまった最終決戦の追走。ここではRDSチームが先行を選択し、D1GPチームの選手オーダーに合わせてきた。ここで先に8勝したチームが最終勝者となる。
しかし、1対戦目で植尾勝浩が1本目にトラブル発生でエフゲーニイ・ロセフに敗退すると、2対戦目ではこれまた1本目に後追いの畑中がアンドレイ・ペセーゴフに接触してしまい、畑中の過失を取られて敗退。D1GPチームはいきなり2連敗からのスタートとなった。
3対戦目でのイリヤ・フョードロフと日比野哲也の対戦は、2本終わって15.5ランク対15.5ランクと、ランク判定のすえ日比野が辛勝したが、つづく4〜6対戦目の齋藤太吾、横井昌志、藤野秀之がまさかの3連敗。6戦終わって1勝5敗と大きく負け越し、RDSがつねに優位に立つ展開となった。
そして7対戦目ではアントン・スバリンスキーと末永正雄が対戦したが、これまたランク判定にもつれ込んで末永が辛勝。8対戦目ではイリヤ・フョードロフと川畑真人が対戦したものの、1本目の最終セクターでフョードロフをプッシュしてしまった川畑が敗れた。
あらかじめオーダーが決まっていた8対戦を終え、2勝6敗。D1GPチームはクラッチブローやエンジンブローで戦線離脱した選手も多く、まともに走行できる選手が少ないという状況に陥ったうえ、ここから挽回しなければならない。いっぽうのRDSチームはあと1勝すれば勝利に王手という優位な状況だ。
しかしここからD1GPチームの反撃がはじまる。まずは、ゴーチャと2回目の対戦をした横井が、ゴーチャのクラッシュもあってさきほどのリベンジを果たすと、つづく対戦ではエフゲーニイ・ロセフに対して齋藤が先行でも後追いでもアドバンテージをとって圧倒!
11対戦目では前日の追走ではおなじ相手に敗れた川畑だったが、ドミトリー・イエルモーヒンに対して先行でも後追いでもアドバンテージをとう安定した走りを披露して勝利。D1GPチームが3連勝して5勝6敗の僅差にまで追いついた。
エフゲーニイ・ロセフと日比野哲也が戦った12対戦目。1本目は、後追いのエフゲーニイ・ロセフはかなりショートカットぎみのラインから寄せてきたものの、これが有効となってアドバンテージをとる。
入れ替えた2本目は日比野も近い距離から振り出したが第5セクターに入ったところで戻り、ロセフが勝ってRDSチームは7勝目をマーク。王手をかけた。
そして最後となる13対戦目は川畑真人とゴーチャの戦いだ。テスト用に持ち込まれていたと言うR888RDを履いたゴーチャに対し、すばらしい先行の走りを決めた川畑だったが、後追いのゴーチャは川畑の懐にガッツリと入り込み、2ランクのアドバンテージ。
そして入れ替えた2本目、レベルの高い走りを決めるゴーチャに後追いの川畑は入りきれず、ゴーチャが勝ってRDSチームの勝利が決定した。
Pick Up Battle !!
日比野 哲也 [ JZA80 ] vs E. Losev [ JZX81 ]
RDSチームが6勝、D1GPチームが5勝で迎えた12対戦目。日比野先行の1本目、後追いのエフゲーニイ・ロセフはかなりショートカットぎみのラインから寄せてきたがアドバンテージをとる。2本目は日比野も近い距離から振り出したが第5セクターに入ったところで戻り、ロセフが勝ってRDSチームは7勝目をマーク。王手をかけた。
Pick Up Battle !!
川畑 真人 [ R35 ] vs D. Ermohin [ S15 ]
11対戦目。前日はドミトリー・イエルモーヒンに負けてベスト16敗退だった川畑だが、今回は先行では引き離し、後追いでは振り出しから近い距離に詰め、先行でも後追いでもアドバンテージをとって勝利。D1GPチームが怒涛の3連勝で勝ち星を5に伸ばし、RDSチームに食らいつく状態となった。
Pick Up Battle !!
齋藤 太吾 [ X245A ] vs E. Losev [ JZX81 ]
10対戦目。1本目は先行の齋藤がいい走りを決めたのに対して、後追いのロセフは2コーナーでやや流され、入り込むことはできず、0.5齋藤のアドバンテージ。2本目はいちどやり直しになったが、後追いの齋藤がキッチリと寄せて勝った。
Pick Up Battle !!
横井 昌志 [ S15 ] vs G. Chivchyan [ S15 ]
2度目のおなじカードとなった9対戦目。1本目先行の横井がすばらしい走りを決めてくる。後追いのゴーチャもビジョンまえで接近しすぎからの接触があったものの、再度寄せてこれが2ランクのアドバンテージ。しかし2本目は先行のゴーチャが1コーナーでクラッシュしたため、横井が勝った。
Pick Up Battle !!
川畑 真人 [ R35 ] vs I. Fedorov [ PS13 ]
フョードロフが先行の1本目、後追いの川畑は振り出しから近い距離をキープしていたが、振り返し後にフョードロフと接触。これが川畑の過失と判定されマイナス3ランクとなってしまった。2本目はフョードロフを引き離した川畑だったが、1本目の差は覆せず、フョードロフが勝った。
Pick Up Battle !!
D. Ermohin [ S15 ] vs 藤野 秀之 [ RPS13 ]
1本目、先行のドミトリー・イエルモーヒンに対して近い距離から振り出し、そのあとも徐々に距離を詰めていた後追いの藤野だったが、第3セクターの直前で突如スローダウン。なんとまさかのエンジンブローで2本目は走れず、敗退する結果となった。
No. | RDS Driver | Score | Total | vs | Total | Score | D1GP Driver | No. |
R4 | M. Sedykh | (先) 16.5 | 16.5 | ○ - × | 13.0 | 13.0 (後) | 植尾 勝浩 | D5 |
(後) 10.-- | 10.-- (先) | |||||||
R2 | A. Pesegov | (先) 10.0 | 10.0 | ○ - × | 10.0 | 10.0 (後) | 畑中 真吾 | D4 |
(後) 10.-- | 10.-- (先) | |||||||
R6 | I. Fedorov | (先) 16.0 | 15.5 | × - ○ | 15.5 | 16.5 (後) | 日比野 哲也 | D7 |
(後) 19.5 | 19.0 (先) | |||||||
R8 | E. Losev | (先) 18.5 | 10.5 | ○ - × | 19.0 | 14.5 (後) | 齋藤 太吾 | D8 |
(後) 12.0 | 14.5 (先) | |||||||
R3 | G. Chivchan | (先) 18.5 | 16.5 | ○ - × | 15.5 | 16.5 (後) | 横井 昌志 | D3 |
(後) 18.0 | 19.0 (先) | |||||||
R5 | D. Ermohin | (先) 18.0 | 18.0 | ○ - × | 14.5 | 14.5 (後) | 藤野 秀之 | D2 |
(後) 10.-- | 10.-- (先) | |||||||
R7 | A. Svarinsky | (先) 16.0 | 13.0 | × - ○ | 13.0 | 16.5 (後) | 末永 正雄 | D6 |
(後) 17.0 | 16.5 (先) | |||||||
R6 | I. Fedorov | (先) 13.0 | 10.5 | ○ - × | 19.5 | 11.5 (後) | 川畑 真人 | D1 |
(後) 17.5 | 18.0 (先) | |||||||
R3 | G. Chivchan | (後) 10.5 | 12.0 | × - ○ | 14.0 | 18.5 (先) | 横井 昌志 | D3 |
(先) 11.5 | 15.5 (後) | |||||||
R8 | E. Losev | (後) 17.5 | 13.5 | × - ○ | 16.0 | 18.0 (先) | 齋藤 太吾 | D8 |
(先) 16.0 | 18.0 (後) | |||||||
R5 | D. Ermohin | (後) 16.0 | 14.5 | × - ○ | 16.0 | 17.0 (先) | 川畑 真人 | D1 |
(先) 18.5 | 19.0 (後) | |||||||
R8 | E. Losev | (後) 18.0 | 16.5 | ○ - × | 14.0 | 17.5 (先) | 日比野 哲也 | D7 |
(先) 18.5 | 16.5 (後) | |||||||
R3 | G. Chivchan | (後) 10.0 | 19.0 | ○ - × | 18.0 | 18.0 (先) | 川畑 真人 | D1 |
(先) 19.0 | 10.0 (後) |
優勝WINNER
R1:A. Tsaregradsev [ ER34 ] / R2:A. Pesegov [ HCR32] / R3:G. Chivchan [ S15 ] / R4:M. Sedykh [ S15 ] / R5:D. Ermohin [ S15] / R6:I. Fedorov [ PS13] / R7:A. Svarinsky [ JZA80 ] / R8:E. Losev [ JZX81] / 監督:Timofey
アルカーシャ:いつも走ってるソチサーキットは照明もあるし走り心地もいいんだけど、ここプリムリングとなると…怖いというか超デンジャラスだよ! スポンジがあっても、超怖いさ。狭いだけじゃないんだ。
ロセフ選手みたいに加速して145km/hで進入してみろよ、148km/hか? ごめん、まちがった…。こいつは隣に座っているからまちがうと身が危険だ。だから日比野選手だってミスしちゃっているだろ。
つまり、今日の対決はすごくむずかしかった。車両だけじゃなくウデもハイレベルじゃないとムリだろうね。そして、今日RDS選手がやった多くのことをD1選手たちができなかった…というのはどういう意味か? RDS選手の準備、気合、ウデのほうがすごいってことさ!
エルモーヒン:まあ、運がいい悪いというか、低馬力でもスキルさえあれば競争できるさ。けど、これだけのハイレベルな大会では「運」という要素は必ず付いてくるもんだと思うよ。川畑選手との対戦も精一杯走っただけさ。
アルカーシャ:低馬力SRエンジンのトラクションのお陰さ!
ロセフ:対戦中に1ランクダウンしてでもタイヤ交換せずに走ったのはなぜかって? 交換できると知っていなかったんだ。だからそのまんま出走してしまったんだよ。
ティモフェイ監督:いや、それは戦術だったんだ! わざとロセフには教えてやらないで「そのまま行け!」と行かせたんだ。
ロセフ:…セーブ気味で走って、無事でよかったよ!
アルカーシャ:おれはちがうことに気づいたな。ロセフ選手は走行中、おそらくコースなんか一切見ないじゃないか、といことさ。赤旗が上がっているのに、それらを全部無視して走ったロセフ選手はある意味で凄いと思う!
ロセフ:見えたよ! 見えたけど、フライングじゃなかったから「まちがって振っているかも」と思い、走っちゃったんだ。折角すごいいいかんじで加速して進入できたんだから、止まるのはもったいないとか思って…。
アルカーシャ:きっと「フラッグまちがい」と思ったんだろうね。
ティモフェイ監督:こういうときは「魔女のほうきに乗った状態」というね。トセフがほうきに乗っちゃうと、止められないんだ。
アルカーシャ:地元のイルクーツクでも赤旗を無視して走っているんじゃないの〜?
ロセフ:齋藤選手と戦うという願いは、RDSの最終戦で叶ったんだけど、そこでは負けちゃってブルーだったんだ。今回のコルベットはさらに速いから、どうやった離されずに走れるかを考えて、うまい具合に加速できたと思う。3速に入って少しミスったけど、あと力を引き締めて最後までがんばっていけたかんじかな。
イリヤ:VRはたしかにいいエンジンだ。先行はすごい集中して走ったんだけど、うしろのときは川畑選手がずっとおれの肩を触っているかんじがしてつねに気になってしまったよ。自分としては、日比野選手、川畑選手との対戦はよかったと思う。
マシンとしてはGT-Rのほうがずいぶん速いよね。加速時はかろうじて離されずに行けても、コンクリートウォール沿いやカーブは馬力のちがいでGT-Rが先に行ってしまう姿が悔しかった。だから、ラインカットしてでも接近しようと思って詰めていったつもりだよ。
スバリンスキー:仲間というか、ボスのドブさん(RDSの審判員)が「しっかりしろ!」と強く言ってくれたので、いろんな意味で気合が入ったのさ。そして集中して自分の最高の走りを見せようと、技術のレベルは雲泥の差だから、ときどき浅くなったり、ときどきラインカットしたり、とにかく近くいようとしていた。大きなミスだけしないようにってがんばったつもりだよ。
ゴーチャ:スタート地点についていて、観客のサポートをかんじていたし、応援されている気持ちは伝わっていたよ。そして、この1本は最後になるかもしれないってこともね。観客の気持ちってのは、我々走るほうにとっては大事な大事なサポートなんだ。負けちゃうと、みんなの気を害するから「負けるわけにはいかん!」と気合が入ったね。
ドリフトにおいて我々は後追い…つまりドリフトを作り上げた日本の選手たちをマネして、見習って追いついている立場なんだけど、それは作り上げることよりずっとラクなわけです。今回は勝ってはいるけど、自分のレベルを実証するのに2~3連勝しないいと安心できないと思うんだ。
今日対戦した日本の選手たちこそ、見本がなくてすべて自分たちで創造しなくてはならなかったので、おおいに敬意を表したいと思いますね。
ティモフェイ監督:おれの役割としては、つねにみんなを元気づけようとしていたことだね。
アルカーシャ:どんな言葉だったか、みんな知っているか?「ちょっと控えめに行こうじゃないか? こんなにアグレシブに行かなくてもいいんじゃないか?」だよ!
もうおれが勝手に割り込むしかなくて「記憶に残る走りを見せようぜ! ロシアドリフトの凄さを世界に見せつけようじゃないか」と言うしかないじゃなか。
つまり、監督の元気のない「陰」とおれの超元気な「陽」がいっしょになってはじめてバランスが取れただよ。
ティモフェイ監督:…とにかく、無事終わって優勝したんだけど、審判員の神本さんが来てくれて「ロシアが勝ったってのはすごいことだよ! おめでとう! しかもアルカーシャ抜きで勝てたんだからさ!」と言ってくれたんだ。
正直、アルカーシャがもう走れないとわかった瞬間、気力がほぼ抜けたかんじだった「もうダメだあ~、どうすりゃええの?」とね。
しかも、ダメージやタイヤ欠如でRDSもD1も走れるマシンがほとんど残っておらず、あと2敗したら走れるマシンがなくなってしまう事態だったんだ。
アルカーシャ:まあ、つまりあと2連敗したら、もうこっちの負けが決まる事態だったんだよね…。
アルカーシャ:みんなを代表して言うけれど、本日のバトルは競技感覚ではなかったのさ! 仲間同士の有効バトルのかんじで「じゃあ、3台で走ろうじゃないか!?」とか「つぎは追走で総当たりしようじゃないか?」とか、普段とはちがうかんじで走っていたためにこれだけ楽しく走れて勝てたと思う。
つまり、この競技フォーマットはおもしろくて楽しくて、今後も続くのであればまたぜひ対戦したいと思う!
ゴーチャ:日本とのちがいはやはりある。というのは、今日は日本人ドライバーは8名だけど、RDSドライバーのははるかに多かっただんだ。ぼくらが日本へ行ったときは、ロシア人が2~3人なのに対して日本人は30人とか…それは精神的におおきくちがうんだよね。だから今回はおれたちが多かったために精力も強かったわけだ。
アルカーシャ:シベリアンドリフトの強さの秘訣かい? おれたちはシベリアンドライバーなのさ!
ゴーチャ:アルカーシャが秘訣なんだ!
ロセフ:同意見だ。やはりアルカーシャと、アルカーシャが立ち上げたサーキットのレッドリングが、シベリアンドリフトを引っ張ってくれたと思う。
このレッドリングサーキットは、ありとあらゆる技を要するコースで、練習すれば成長が早くなるんだ。そして、おなじ家族同士のようで、おたがい意見とか経験とか、惜しまずにわけてやっていることも重要だね。
アルカーシャ:その通りだ。レッドリングはいいサーキットだけど、やはりおたがい助け合ったり、手伝ったりしないと、いいドリフトができないと思う。対戦相手なのに、タイヤ、パーツ、メカニックをやったりするのだ。それはすべてただひとつの目的“恥ずかしくないドリフトをみんなに見せる”ためなんだ!
ティモフェイ監督:戦略はもちろんあったよ。それに従って戦っていたんだ。まずイチバン大事な戦略は、8名の名前に順番をつけることだ。
シンクロは安定したドライバーを先行にしていて、エルモーヒン選手のマシンにトラブルがあったからペセーゴフに変えて…これはちょっと失敗だったんだけど、その失敗も案の定、観客を少し心配させただけだったね。
そして追走は、最初から勢いよくアグレシブにスパートして、そして気力がなくなると今度は体力勝負で粘ろうとしていた。うまくいってよかったよ。