この大会の模様は
「VIDEO OPTION VOLUME No.171」
に収録されています。
■
4月26、27日 富士スピードウェイ
■コースコンディション:ドライ
■入場者数:13160人
PHOTO:小竹 充/鈴木紳平
REPORT:斉藤精一郎
D1GP第2戦には、大きな話題がふたつあった。ひとつは昨年のチャンピオン川畑真人がマシンチェンジをしたこと。これまでのS15型シルビアに代えて180SXを投入してきた。もうひとつの話題は2年間D1から遠ざかっていた初代チャンピオン谷口信輝が、スポット参戦という形ではあるが久しぶりにエントリーしてきたことだ。チームは以前と同じHKS。マシンはアルテッツァだが、2年前のD1車両とはちがう車体になる。
予選日の競技終了後には雨が降ったが本戦日の朝にはあがり、競技は終始ドライ路面で行われた。晴天にめぐまれた本戦日は暖かい行楽日和になり、観戦には最適な天候だった。
予選には46名がエントリー。シード選手が11名いるため、予選参加者のうち本戦日の単走1回戦に進めるのは19名ということになる。
審査コーナーはこれまでと同様。300Rからヘアピンを抜けて、100Rに向けて立ち上がっていったところまでだ。審査ポイントもこれまでとほぼ同様。300Rの手前では、指定の位置より手前から振り出すこと。またここには副審が置かれ、ドリフトの戻りや姿勢づくりの失敗などは厳しく見られることになる。300Rではイン側の縁石に寄せる必要はないが、300Rの立ち上がりから審査席前までは直線的に振りっ返すことが要求され、蛇行ラインになると(アウトにはらむと)減点。審査席前ではアウト側の縁石いっぱいまで飛ばすこと、ヘアピンのクリッピングポイントでは1.5mていどまでイン側の縁石に寄せること、ヘアピンの立ち上がりではアウトまではらむことが要求された。また副審からはファンタスティック旗の条件として、300Rの飛び込みで大きい角度をつけること。300Rでアクセルを踏み切って曲がっていくことが上げられた。なおスピードガンによる車速の計測は行うが、得点には反映されず、同点の場合の順位づけにのみ利用されることになった。
今回も予選は順当な結果となった。ゼッケン10番台の選手は全員が予選を通過。黒井、斉藤、佐久間の上位常連に加えて、今季好調のドリフト侍が100点をとった。中でも黒井は3本の走行すべてで100点を獲得。また100点獲得者中の最高速をマークして予選を1位通過した。なお猪瀬は予選を通過したが、エンジンのロッカーアームが脱落するトラブルに見舞われ、それ自体は本戦日までに直せるのだが、根本的な対策ができないとまた同じことになるということでリタイヤを申請し、リザーブ通過だった匂坂が単走1回戦進出を決めた。
さて、ゼッケン57をつけ、最後尾での走行となった谷口は、前日の練習まで車速も低く、迫力もなく、ラインもズレた走行しかできない状態だった。それでもHKSチームが突貫で仕様変更を施し、谷口自身も確実に走りをレベルアップさせ、予選をなんとか19位で通過した。
富士スピードウェイ
単走主要審査ポイント
予選順位表
順位
NO.
ドライバー
得点
車速
(km/h)
順位
NO.
ドライバー
得点
車速
(km/h)
1
17
黒井敦史
100.00
185
23
30
松井有紀夫
98.50
171
2
14
斉藤太吾
100.00
179
24
31
春山 隆
98.00
191
3
19
佐久間達也
100.00
171
25
29
一柳和人
98.00
177
4
16
ドリフト侍
100.00
164
26
25
藤尾 勉
98.00
176
5
15
福田浩司
99.90
173
27
20
末永直登
98.00
174
6
12
熊久保信重
99.80
182
28
45
中村直樹
98.00
172
7
26
猪瀬 徹
99.80
178
29
36
前田 謙
98.00
165
8
28
古口美範
99.80
173
30
56
長澤淳吉
97.50
177
9
13
時田雅義
99.70
174
31
46
戸ヶ崎功治
97.00
164
10
37
藤中 学
99.50
169
32
55
高橋雄一郎
97.00
161
11
33
荻野目久
99.50
168
33
43
小山 哲
95.00
183
12
38
水畑 力
99.30
179
34
51
平野浩量
95.00
168
13
39
箕輪慎治
99.00
173
35
49
林 正俊
95.00
165
14
22
内海彰乃
99.00
172
36
53
加藤貴也
85.00
171
15
24
高山健司
99.00
170
37
34
地主亮治
0.00
174
16
52
松川和也
99.00
170
38
42
吉岡秀一
0.00
0
17
18
平岡英郎
99.00
165
39
21
横井昌志
リタイア
18
32
廣田友和
98.80
179
40
27
小師賢作
リタイア
19
57
谷口信輝
98.80
178
41
35
松田豊久
リタイア
▲以上予選通過▲
42
41
村山悌啓
リタイア
20
44
匂坂晋治
98.80
173
43
47
伊藤昭紀
リタイア
▲以上予選リザーブ通過▲
44
48
出浦史郎
リタイア
21
40
野沢 巧
98.70
173
45
50
小畑仁宏
リタイア
22
23
西田ラビー
98.50
172
46
54
大嶋友浩
リタイア
単走1回戦には、シード選手11名と予選通過選手19名の計30名が出走した。審査ポイントは予選とほぼ同様だが、審査席から計測したスピードガンでの車速も採点に加味されることが決まった。
前日の競技終了後から夜中にかけて雨が降り、本戦日の朝にはあがっていたが路面はウエット状態だった。午前の練習走行の時点では路面は乾ききらず、ドライ路面での練習走行ができない状態で本番を迎えることになった。しかし、単走1回戦までには路面は乾き、競技自体はドライ路面で行われた。
さて、このラウンドにニューマシン180SXを投入した川畑だが、仕上がりが遅れて、金曜の練習日が初走行となった。そのためマシンのセットアップが間に合わず、なかなか走りはまとまらなかった。さらに本番前には電気系にトラブルが発生し、出走できず。リタイアとなってしまった。
練習走行が不十分だった影響か、川畑以外にも波乱の多い展開となった。シードの田中、高橋、日比野が、車速が伸びなかったり、ラインにズレがあったりして敗退。さらには熊久保まで、マシン不調をかかえてリズムも崩したのか、かなり抑えた走りでラインをまとめたにとどまり追走トーナメント進出を逃した。いっぽうで黒井はまたしても高い車速と大きなドリフトアングルを両立させて1位通過。さらに、斉藤、水畑、岡村、手塚、末永、上野の計7人が100点を獲得した。
谷口は、1本目はズレたラインから失速。しかし2本目には走りを修正してきて、ヘアピンのクリップは逃したものの審査席前までは完璧なラインをトレース。そして3本目にはさらに修正し、ヘアピンの進入で音が消えるという減点を受けるが、それ以外は見事に走りをまとめて、追走トーナメント進出を果たした。
1回戦得点順位
順位
NO.
ドライバー
得点
車速
(km/h)
順位
NO.
ドライバー
得点
車速
(km/h)
1
17
黒井敦史
100.00
186
17
52
松川和也
99.50
181
2
14
斉藤太吾
100.00
185
18
16
ドリフト侍
99.50
177
3
38
水畑 力
100.00
183
19
18
平岡英郎
99.50
177
4
9
岡村和義
100.00
181
20
15
福田浩司
99.50
174
5
11
手塚 強
100.00
178
21
12
熊久保信重
99.50
173
6
4
末永正雄
100.00
177
22
8
日比野哲也
99.50
171
7
5
上野高広
100.00
175
23
6
高橋邦明
99.50
170
8
7
今村陽一
99.90
175
24
24
高山健司
99.00
182
9
28
古口美範
99.90
174
25
44
匂坂晋治
99.00
177
10
2
野村 謙
99.88
173
26
3
田中一弘
99.00
169
11
33
荻野目久
99.80
177
27
39
箕輪慎治
98.50
185
12
22
内海彰乃
99.80
176
28
37
藤中 学
98.00
171
13
10
吉岡稔記
99.80
175
29
13
時田雅義
0.00
173
14
57
谷口信輝
99.80
175
30
1
川畑真人
リタイア
15
19
佐久間達也
99.80
174
31
26
猪瀬 徹
リタイア
16
32
廣田友和
99.50
183
▲以上1回戦通過▲
追走トーナメントの初戦、黒井vs廣田では廣田がアンダーステアを連発。黒井も廣田に詰まってスピンをしたが、廣田がインを閉めていたこともあり、黒井の勝ちとなった。今村vs古口は両者ノーミスだったが、300Rの先の角度で古口が上まわっていたため、わずかな差で古口の勝ちとなった。手塚vs内海は、内海が振りっ返し後にアンダーステアを出すミスで手塚の勝利。岡村vs吉岡の対戦は1本目に岡村が300Rでわずかにアンダーステアを出したことで吉岡の勝ちとなった。
実質2年半ぶりの追走となる谷口は水畑と対戦。両者後追い時にドリフトが戻るミスをして再戦にもつれこんだ。その1本目、後追いの谷口は300Rの迫力で上まわったが、審査席前で詰めすぎてスピン。2本目は先行の谷口が見事な迫力走行を見せたが、逆転には至らず水畑の勝ちとなった。しかしこ最後の谷口のドリフトは、もはやD1トップレベルと比べても遜色のないものだった。
末永(正)vs荻野目は、再戦に入ったが、荻野目のミスと末永のビタビタ走行で末永の勝ち。上野vs野村も再戦の末に野村が勝った。斉藤vs佐久間は、斉藤が300Rから振りっ返しまでで、これまで見たこともないようなビタビタ走行を見せて佐久間を倒した。
ベスト8ではまず黒井と古口が対戦。2本目に後追いの黒井のドリフトが何度か戻って古口の勝ち。手塚vs吉岡はお互いに速いところがまったく違うクルマ同士の対戦だったが、手塚が得意なはずのストレートでも吉岡が手塚に食らいつき、吉岡が得意なはずのヘアピンでも手塚がなんとか吉岡についていき、再々戦にまでもつれこむ熱戦となった。最後は吉岡にドリフトの戻りと振り出しの遅れがあり、手塚が勝った。
水畑vs末永は1本目に300Rの迫力で水畑がややリードするものの、2本目では水畑のドリフトが戻って末永の勝ち。野村vs斉藤は、これまた両者ノーミスの好勝負となったが、食い込んだ度合いの差で斉藤が勝った。
準決勝のひと組めは、古口と手塚の対戦。1本目は300Rの迫力で先行の古口が勝っていたがヘアピンの進入で手塚が距離を詰め、判定は五分。ここで古口は、手塚が前回も対戦して苦戦した相手だったことから、「2本目は勝負をかけないとまずいな」と考えチャンスがあればインを狙っていたという。2本目、先行の手塚がアウトまでめいっぱい使った大きいラインをとったこともあって、古口はイッキに手塚のインをついて抜き去った。それでも古口は手塚と同等の角度を保っていたため、古口の勝利となった。
準決勝もうひとつの対戦は末永vs斉藤。末永先行の1本目、斉藤は300Rから末永の真後ろにビタビタにつけ、その先でも間隔を開けられることなくピッタリと食いついていった。これで斉藤にアドバンテージがついた。2本目は斉藤が先行。こんどは後追いの末永が距離を詰められない。斉藤はノーミスで走りきり、初の決勝進出を決めた。
決勝は古口vs斉藤という対戦になった。じつは仲がよく、一緒に走ることも多いというふたりだが、斉藤はこのとき嬉しくてすっかり舞い上がってしまった。斉藤はウォームアップ走行で審査席前でスピンをしてコースアウト。いっぽう、これによって、古口は逆にリラックスできたという。
1本目は古口が先行。後追いの斉藤は、ヘアピン進入で古口の真横に入り込むが、やはり力が入りすぎてしまっていたこともあり、寄せすぎたのを角度で抑えようとして失速してしまう。古口アドバンテージ。しかし2本目は、斉藤のスピードにまどわされた古口がリズムを乱し、ヘアピンでアンダーステアを出してしまう。勝負は再戦に入った。
再戦の1本目、後追いの斉藤はヘアピンの進入で古口よりもわずかに小さめのラインをとり、イッキに古口の真横に飛び込む。しかし止めきれずテールで古口のフロントをヒット。古口はノーズを弾き出されてコースアウトしてしまう。古口に落ち度はなく、接触の原因は一方的に斉藤にあるという判定となった。これで古口はステアリング系統にダメージを受け、スタート地点で修復を試みたが、その場での修復は不可能と判断。そのまま走行すると危険なことから車検員から出走停止の勧告が出された。これによって2本目は行われないことになったが、1本目の走行内容と、損傷の原因が斉藤にあったことから、審査員から古口の勝利という判定が下され、古口が初優勝を決めた。
※上位入賞選手の大会後のコメントは、
D1ケータイサイトでご覧になれます。
(
http://www.msf.ne.jp/homepage/d1gp.htm
)
順位
順位
NO.
ドライバー
マシン名
1位
28
古口美範
KOGUCHI POWER 180SX
2位
14
斉藤太吾
チーム22 FNATZ マークII
3位
11
手塚 強
グッドイヤーレーシングB324R
4位
4
末永正雄
トラスト雨宮 with TOYO D1-7
5位
10
吉岡稔記
ヤマサエスペリアトムス86
6位
17
黒井敦史
TEAM TOYO with リバーサイド
7位
38
水畑 力
HPI S15
8位
2
野村 謙
BLITZ DUNLOP ER34
9位
57
谷口信輝
HKS YOKOMO IS220-Z
10位
5
上野高広
TE3006スイーバソアラ
11位
33
荻野目久
APP with 白銀クリニック S15
12位
9
岡村和義
ニスモ&HKS YF偉人号
13位
32
廣田友和
AS-MORI ’08 ヴェロッサ
14位
7
今村陽一
BOSSシルビア
15位
19
佐久間達也
TEAM TOYO with GP SPORTS S15
16位
22
内海彰乃
ORIGINフリークレーシング
ポイントランキング
順位
ドライバー
チーム名
ポイント
1位
末永正雄
トラスト雨宮 with TOYO
34
pts
2位
野村 謙
BLITZ
32
pts
3位
川畑真人
TEAM TOYO with GP SPORTS
26
pts
3位
手塚 強
グッドイヤーレーシングB324R with Bee☆R
26
pts
5位
古口美範
KOGUCHI POWER
25
pts
5位
斉藤太吾
チーム22
25
pts
7位
上野高広
TEAM T&E with SUI:VAX
21
pts
8位
吉岡稔記
ドルーピー
20
pts
9位
田中一弘
YUKE'Sチームオレンジ
18
pts
10位
今村陽一
Team BOSS with POTENZA D-1 Project
14
pts
10位
岡村和義
Teamヤシオファクトリー
14
pts
NO.
ドライバー
車名
車両型式
馬力
成績
1
川畑真人
180SX
RPS13
580
1回戦リタイア
2
野村 謙
スカイライン
ER34
580
8位
3
田中一弘
インプレッサ
GDB
600
1回戦敗退
4
末永正雄
RX-7
FD3S
500
4位
5
上野高広
ソアラ
JZZ30
650
10位
6
高橋邦明
チェイサー
JZX100
530
1回戦敗退
7
今村陽一
シルビア
S15
579
14位
8
日比野哲也
カローラ・レビン
AE86
350
1回戦敗退
9
岡村和義
シルビア
S13
600
12位
10
吉岡稔記
スプリンター・トレノ
AE86
320
5位
11
手塚 強
スカイラインGT-R
BNR32
544
3位
12
熊久保信重
ランサー・エボリューションIX
CT9A
550
1回戦敗退
13
時田雅義
クラウン
GRS180
600
1回戦敗退
14
斉藤太吾
マークII
JZX100
800
2位
15
福田浩司
180SX
RPS13
500
1回戦敗退
16
ドリフト侍
RX-7
FC3S
600
1回戦敗退
17
黒井敦史
シルビア
PS13
600
6位
18
平岡英郎
インプレッサ
GDB
560
1回戦敗退
19
佐久間達也
シルビア
S15
520
15位
20
末永直登
インプレッサ
GC8
500
予選不通過
21
横井昌志
シルビア
S14
500
リタイア
22
内海彰乃
シルビア
PS13
510
16位
23
西田ラビー
RX-7
FD3S
予選不通過
24
高山健司
RX-7
FD3S
550
1回戦敗退
25
藤尾 勉
RX-7
FD3S
450
予選不通過
26
猪瀬 徹
シルビア
S15
600
1回戦リタイア
27
小師賢作
スプリンター・トレノ
AE86
340
リタイア
28
古口美範
180SX
RPS13
500
1位
29
一柳和人
シルビア
PS13
490
予選不通過
30
松井有紀夫
180SX
RPS13
450
予選不通過
31
春山 隆
ローレル
C35
550
予選不通過
32
廣田友和
ヴェロッサ
JZX110
600
13位
33
荻野目久
シルビア
S15
500
11位
34
地主亮治
ソアラ
JZZ30
750
予選不通過
35
松田豊久
AE86
350
リタイア
36
前田 謙
スプリンター・トレノ
AE86
415
予選不通過
37
藤中学
RX-7
FD3S
600
1回戦敗退
38
水畑 力
シルビア
S15
539
7位
39
箕輪慎治
シルビア
S15
440
1回戦敗退
40
野沢巧
シルビア
S14
530
予選不通過
41
村山悌啓
シルビア
S14
500
リタイア
42
吉岡秀一
シルビア
S15
430
予選不通過
43
小山 哲
フェアレディZ
Z32
550
予選不通過
44
匂坂晋治
カローラ・レビン
AE86
300
1回戦敗退
45
中村直樹
シルビア
S15
400
予選不通過
46
戸ヶ崎功治
スカイライン
HCR32
450
予選不通過
47
伊藤昭紀
シルビア
PS13
500
リタイア
48
出浦史郎
シルビア
S14
450
リタイア
49
林正俊
チェイサー
JZX100
500
予選不通過
50
小畑仁宏
カローラ・レビン
AE86
350
リタイア
51
平野浩量
シルビア
S15
420
予選不通過
52
松川和也
シルビア
S15
480
1回戦敗退
53
加藤貴也
シルビア
S14
500
予選不通過
54
大嶋友浩
ソアラ
GZ20
450
リタイア
55
高橋雄一郎
マークII
JZX100
900
予選不通過
56
長澤淳吉
シルビア
S15
480
予選不通過
57
谷口信輝
アルテッツァ
SXE10
560
9位
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