この大会の模様は
「VIDEO OPTION VOLUME No.170」
に収録予定です。

3月29、30日 エビスサーキット南コース
■コースコンディション:ドライ
■入場者数:5643人

PHOTO:上尾雅英/鈴木紳平
REPORT:斉藤精一郎


 D1GP2008年シリーズは、昨年と同様に福島県のエビスサーキットで開催された。予選日、決勝日ともに天候は良好で、スタンドは満員の観衆で埋め尽くされた。
  開幕戦で注目したい点は、何人かの主要ドライバーに移籍やマシンチェンジがあったことだ。まず、今村陽一がTeam BOSS with POTENZA D-1 Project(旧チームm.o.v.e)に移籍。シルビアに乗る。また平岡がYUKE’Sチームオレンジに加入。インプレッサ(昨年途中まで熊久保が乗っていたマシン)に乗る。佐久間はTEAM TOYO with GPSPORTSに移籍し、昨年川畑が海外用に使っていたマシン(S15型シルビア)にチェンジ。昭和のソアラで有名だった時田はゼロクラウンを投入する。
  また、ブリヂストン、ダンロップ、グッドイヤーから新しいハイグリップタイヤが登場。タイヤの勢力図に大きな影響を与えることが予想された。
  ルールも一部が変更になった。まずはポイント制度。上位に入賞した選手はより獲得ポイントが多くなり、コンスタントに追走に進出している選手にも有利なポイント制度となった。また現行車種優遇制度が導入され、現行車種(1月1日時点)を投入した選手は、一定期間予選が免除されることになった。
  こういった変化のなかで2008年シリーズが開幕した。

 予選には40名がエントリー。シード選手が11名いるため、予選参加者のうち19名が本戦日の単走1回戦に進出できることになる。なお現行車種優遇制度を受ける時田(ゼロクラウン)も予選には参加し、実力で予選を通過すれば通常の予選通過者の扱いとなる。実力での予選通過ができなかった場合にかぎって、予選通過者19名に+1名として本戦日に出走できることになった。
  審査コーナーはこれまでと同様、最終コーナーに現れたところから4コーナーをアウトいっぱいに立ち上がったところまでが審査区間となる。しかし、冬のあいだにコース全面が舗装しなおされ、路面のグリップが大幅に上がったため、走りかたも変わった。その影響で、審査ポイントもいくつか変更になった。
  まず最終コーナーは、タイヤをイン側に切れ込んでさえいなければ、カウンターステアが当たっていなくても減点はされないことになった。そのあとストレートで挙動が振られると減点になるのはこれまでと同様。ピットウォールには1.5mまで寄せること、1コーナーで縁石から1.5車身以上離れると減点、審査席前ではアウトいっぱいまで寄せること。そして2コーナーでは、これまでミドルアウトくらいからのアプローチが求められたが、より小さいラインでも減点にはならないことになった。ただし、クリップをとってしまうところまで寄せると減点。3コーナー、4コーナーはクリップをとり、4コーナーの先ではアウトいっぱいまで使って立ち上がることが要求された。また、スピードガンで審査席に向かうスピードを計測し、一定の基準に満たない場合は減点となった。審査席前では2輪以上が縁石からハミ出た場合はコースアウト(失格)という扱いだが、車速が高ければ左リヤタイヤのハミ出しまでは認められることになった。
  副審からは、「ファンタスティック旗」の条件として、最終コーナーからの飛び出しに勢いがあって、最終コーナーでカウンターステアがじゅうぶんにあたっていて、アクセルを踏み切ってピットウォールに寄せていることが発表された。
  このコースは普段から走り込んでいる選手が多いため、例年なら予選からレベルの高い走りが連発されるのだが、今年は慣れない路面に減点をとられる選手も多く、比較的点数の差がついた。走りとしては全体的に最終コーナーからストレートにかけての角度が浅くなり、車速が上がった代わりに白煙は出にくくなった。
  そのなかで好調だったのがグッドイヤー勢だ。キレのある走りと高い車速で小師がトップ通過したほか、高橋邦明、時田らが上位通過。時田は優遇措置と関係なく実力で予選を通過できた。結果としてはゼッケン20番台までの選手の多くが予選を通過するという順当な結果となった。なお、今季からD1GPにステップアップした昨季のD1SLチャンピオン松川は、マシンに乗ったのがほとんどぶっつけ本番という状態だったため、まだ実力を出し切ることもできないまま予選敗退となった。


エビスサーキット
単走主要審査ポイント

予選順位表
順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20

17
22
21
20
16
25
15
13
14
35
29
44
34
18
42
38
28
23
12
27

小師賢作
田中一弘
高橋邦明
時田雅義
平岡英郎
末永直登
猪瀬 徹
黒井敦史
佐久間達也
高山健司
福田浩司
横井昌志
ドリフト侍
岡村和義
西田ラビー
一柳和人
松井有紀夫
藤尾 勉
内海彰乃
地主亮治

99.90
99.90
99.90
99.90
99.90
99.85
99.85
99.85
99.85
99.80
99.80
99.80
99.80
99.80
99.70
99.50
99.50
99.50
99.50
99.00

117
116
115
114
113
118
116
111
110
119
116
114
114
110
113
116
113
113
112
122

▲以上予選通過▲

21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40

37
24
26
33
46
48
32
49
43
47
39
41
40
45
19
31
30
36
50
51

村山悌啓
廣田友和
荻野目久
箕輪慎治
中村直樹
伊藤昭紀
水畑 力
平野浩量
出浦史郎
林正俊
小山 哲
匂坂晋治
戸ヶ崎功治
松川和也
春山 隆
前田 謙
松田豊久
吉岡秀一
加藤貴也
小畑仁宏

98.80
98.80
98.70
98.50
98.50
98.00
98.00
98.00
98.00
97.50
97.00
95.00
95.00
0.00
0.00
0.00
リタイヤ
リタイヤ
リタイヤ
リタイヤ

120
111
110
109
108
117
112
111
108
106
108
116
115
112
0
0
-
-
-
-



 単走1回戦には、シード選手11名と予選通過選手19名を合わせた計30名が出走した。審査ポイントは予選とほぼ同様だが、細かい変更がいくつかあった。まずピットウォールには1m以内に寄せること。ファンタスティック旗が出た場合は、審査席前でリヤ2輪と右の前輪までがコースの外にハミ出ても減点されないことになった。なお、その「ファンタスティック旗」の条件としては、必ずしもカウンターステアは大きくあたっていなくてもいい(ゼロカウンターくらいなら可)ということになった。
  シード勢も、走りかたとしてはこれまでとやや変わり、最終コーナーを浅めに出てきてストレートでスピードをかせぐスタイルが主流になった。さすがに上位選手は減点のしようがない走りをする選手も続出し、高いコーナリングスピードを見せつけた末永(正)、角度と白煙を控えめにして車速を乗せてきた野村、元気な走りで勢いをアピールした日比野ら、5名が100点を獲得した。上位選手では、古口、黒井が高得点を得られなかったほか、最終コーナーの勢いがなかった佐久間らが1回戦敗退となってしまった。
  いっぽうで、予選1位通過の小師はベスト16進出がならなかったが、手塚のほかに、高橋、時田も追走トーナメントに進出への進出を果たすなど、グッドイヤー勢の好調さも目立った。

1回戦得点順位
順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16

3
5
11
1
4
2
21
34
6
18
22
10
29
8
20
7

末永正雄
野村 謙
日比野哲也
川畑真人
手塚 強
熊久保信重
高橋邦明
ドリフト侍
今村陽一
岡村和義
田中一弘
上野高広
福田浩司
吉岡稔記
時田雅義
斉藤太吾

100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
99.95
99.95
99.95
99.95
99.90
99.90
99.90
99.88
99.88
99.88
99.88

122
118
116
114
114
124
116
114
113
118
118
110
120
119
116
103

▲以上1回戦通過▲

17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30

13
16
14
25
44
12
42
35
23
15
17
9
38
28

黒井敦史
平岡英郎
佐久間達也
末永直登
横井昌志
内海彰乃
西田ラビー
高山健司
藤尾 勉
猪瀬 徹
小師賢作
古口美範
一柳和人
松井有紀夫

99.85
99.85
99.80
99.80
99.80
99.80
99.80
99.80
99.50
99.50
98.90
98.80
98.80
98.50

115
114
116
116
114
114
110
110
117
116
108
125
115
103



 追走トーナメントの初戦は、末永vs斉藤。末永がコーナリングスピードで勝り、斉藤にもミスが出て、末永が勝利。ドリフト侍vs今村はドリフト侍が後追いからプッシングしてしまい、今村が勝った。手塚は上野との対戦の2本目「エンジンの回転が落ちやすい場所だった」というストレートでストール気味になってドリフトが戻ってしまい、ベスト16で敗退した。
  川畑vs福田は、1本目にストレートで福田がドリフトできずに川畑の勝ち。日比野vs吉岡の対戦は、角度で上まわった日比野が勝った。熊久保vs田中は再々戦にまで持ち込んでも決着がつかなかったが、3回の走行内容の結果、田中の勝ちとなった。高橋vs岡村の対戦は、再戦1本目に岡村が1コーナーでコースアウトしクラッシュ。走行不能になって高橋がベスト8へ進出した。野村vs時田の4ドアセダン対決は、時田が後追いでミスを連発し野村が勝った。
  ベスト8ではまず末永と今村が対戦。1本目は先行の末永が2〜3コーナーで今村を引き離しアドバンテージを得る。2本目には今村がストレートの角度で上まわったが、末永が後追いから距離を詰めてアドバンテージはとらせず、末永が勝った。上野vs川畑は1本目に川畑がラインを乱し、なんとかドリフトは維持するものの、わずかに上野アドバンテージ。しかし、2本目には先行の川畑が角度で上野を圧倒し、上野もノーミスだったが川畑が逆転勝ちした。
  日比野vs田中の対戦は、1本目、後追いの田中がストレートから日比野の真後ろにビタビタにつける圧巻の追走を見せてアドバンテージを獲得。2本目は日比野が距離を詰めるが食い込みきれず、角度では田中に劣っていたため、田中の勝ちとなった。高橋vs野村は、1本目に野村がストレートで少し戻り気味になるミスをして高橋にアドバンテージがついたものの、2本目には高橋が4コーナーでシフトミス。ドリフトが戻ってしまい、野村の勝ちとなった。


 準決勝のひと組めは、末永(正)vs川畑。TOYO勢同士だが、年齢も近く、ライバル意識が高いふたりの対戦だ。1本目は末永が先行。川畑も途中まではついていくが、コーナリングスピード重視のセッティングをしてきた末永が、2〜3コーナーあたりから川畑を引き離す。わずかに末永アドバンテージ。しかし川畑先行の2本目、川畑はストレートの角度で大きく末永に差をつける。末永も2〜3コーナーでは追いつくが、川畑にアドバンテージをとり、わずかな差で川畑が決勝進出を決めた。
  準決勝もうひと組は田中vs野村。1本目は田中が先行だ。野村は田中のインにピッタリつけてアドバンテージを獲得する。2本目は野村が先行。こんどは田中が見事な食い込みを見せて勝負は再戦に持ち込まれた。その1本目、田中は4コーナーでシフトミス。ドリフトが戻ってしまう。大きく野村にアドバンテージがついた。田中が後追いとなった2本目は、田中が2コーナーでインを差すも、3コーナーでは離され、野村の勝ちが決まった。
  決勝は川畑vs野村。じつは川畑がD1で初めて追走に出たときの対戦相手が野村だった。しかし、その後川畑は公式戦で一度も野村に勝っていない。川畑は野村に勝ちたくてしかたがなかったという。1本目は川畑が先行。ストレートの角度では川畑が上まわるが、野村が川畑のインに深く食い込む。五分。2本目は野村が先行。1〜2コーナーでは川畑が食い込むが、3コーナーでは野村が引き離す。五分。これで勝負は再戦に突入した。その1本目、川畑が3コーナーでやや失速、さらに4コーナーでもラインを乱し、野村にアドバンテージがつく。しかし野村先行の2本目、こんどはストレートで野村のドリフトが戻り、川畑は野村にピッタリ食らいつく。こんどは川畑がアドバンテージを取り返し、再々戦にまでもつれこむことになった。その1本目、川畑先行で野村が後追い。両者ノーミスの好走だったが野村は川畑のインに入り込めない。五分。そして2本目、こんどは川畑が野村に寄せた状態で走りきり、優勝を決めた。



※上位入賞選手の大会後のコメントは、D1ケータイサイトでご覧になれます。
http://www.msf.ne.jp/d1gp/



順位
順位
NO.
ドライバー マシン名
1位
1
川畑真人 TEAM TOYO with GP SPORTS
2位
5
野村 謙 BLITZ DUNLOP ER34
3位
22
田中一弘 YUKE'S シムスインプレッサGDB
4位
3
末永正雄 トラスト雨宮 with TOYO D1-7
5位
10
上野高広 TE3006スイーバソアラ
6位
21
高橋邦明 GOOD YEAR Racingwith Do-Luck
7位
6
今村陽一 BOSSシルビア
8位
11
日比野哲也 サンライズアイオン86
9位
18
岡村和義 ニスモ&HKS YF偉人号
10位
8
吉岡稔記 ヤマサエスペリアトムス86
11位
4
手塚 強 グッドイヤーレシングB324R
12位
2
熊久保信重 YUKE'Sクスコ チームオレンジ ランサー with ORC
13位
20
時田雅義 GOOD YEAR RACING ZERO CROWN
14位
7
斉藤太吾 チーム22 FNATZ マークII
15位
29
福田浩司 イエロー180SX
16位
34
ドリフト侍 チーム侍プロジェクト FC3S 1号

ポイントランキング
順位
ドライバー チーム名
ポイント
1位
川畑真人 TEAM TOYO with GP SPORTS
26pts
2位
野村 謙 BLITZ
22pts
3位
田中一弘 YUKE'Sチームオレンジ
18pts
4位
末永正雄 トラスト雨宮 with TOYO
17pts
5位
上野高広 TEAM T&E with SUI:VAX
13pts
6位
高橋邦明 GOOD YEAR Racing with Do-Luck
12pts
7位
今村陽一 Team BOSS with POTENZA D-1 Project
11pts
7位
日比野哲也 Team SUNRIZE
11pts
9位
岡村和義 Teamヤシオファクトリー
8pts
10位
吉岡稔記 ドルーピー
7pts
10位
手塚 強 グッドイヤーレーシングB324R with Bee☆R
7pts

NO.
ドライバー 車名 車両型式 馬力 成績
1
川畑真人 シルビア S15 580 1位
2
熊久保信重 ランサー・エボリューションⅨ CT9A 550 12位
3
末永正雄 RX-7 FD3S 500 4位
4
手塚 強 スカイラインGT-R BNR32 544 11位
5
野村 謙 スカイライン ER34 580 2位
6
今村陽一 シルビア S15 579 7位
7
斉藤太吾 マークII JZX100 800 14位
8
吉岡稔記 スプリンター・トレノ AE86 320 10位
9
古口美範 180SX RPS13 500 1回戦敗退
10
上野高広 ソアラ JZZ30 650 5位
11
日比野哲也 カローラ・レビン AE86 350 8位
12
内海彰乃 シルビア PS13 510 1回戦敗退
13
黒井敦史 シルビア PS13 600 1回戦敗退
14
佐久間達也 シルビア S15 520 1回戦敗退
15
猪瀬 徹 シルビア S15 600 1回戦敗退
16
平岡英郎 インプレッサ GDB 560 1回戦敗退
17
小師賢作 スプリンター・トレノ AE86 340 1回戦敗退
18
岡村和義 シルビア S15 600 9位
19
春山 隆 ローレル C35 550 予選不通過
20
時田雅義 クラウン GRS180 700 13位
21
高橋邦明 チェイサー JZX100 530 6位
22
田中一弘 インプレッサ GDB 600 3位
23
藤尾 勉 RX-7 FD3S 450 1回戦敗退
24
廣田友和 ヴェロッサ JZX110 600 予選不通過
25
末永直登 インプレッサ GC8 500 1回戦敗退
26
荻野目久 シルビア S15 500 予選不通過
27
地主亮治 ソアラ JZZ30 750 予選不通過
28
松井有紀夫 180SX RPS13 400 1回戦敗退
29
福田浩司 180SX RPS13 500 15位
30
松田豊久 - AE86 350 リタイア
31
前田 謙 スプリンター・トレノ AE86 430 予選不通過
32
水畑 力 シルビア S15 530 予選不通過
33
箕輪慎治 シルビア S15 440 予選不通過
34
ドリフト侍 RX-7 FC3S 600 16位
35
高山健司 RX-7 FD3S 550 1回戦敗退
36
吉岡秀一 シルビア S15 450 リタイア
37
村山悌啓 シルビア S14 500 予選不通過
38
一柳和人 シルビア PS13 490 1回戦敗退
39
小山 哲 フェアレディZ Z32 600 予選不通過
40
戸ヶ崎功治 スカイライン HCR32 450 予選不通過
41
匂坂晋治 レビン AE86 300 予選不通過
42
西田ラビー チェイサー JZX100 650 1回戦敗退
43
出浦史郎 シルビア S14 450 予選不通過
44
横井昌志 シルビア S14 500 1回戦敗退
45
松川和也 シルビア S15 480 予選不通過
46
中村直樹 シルビア S15 400 予選不通過
47
林 正俊 チェイサー JZX100 500 予選不通過
48
伊藤昭紀 シルビア PS13 500 予選不通過
49
平野浩量 シルビア S15 420 予選不通過
50
加藤貴也 シルビア S14 500 リタイア
51
小畑仁宏 - AE86 350 リタイア

この大会の模様は
「VIDEO OPTION VOLUME No.170」
に収録予定です。

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