■2月3、4日 DECセキアヒルズサーキット
■コースコンディション:コースコンディション:ドライ
■観衆:706人

PHOTO:上尾雅英/鈴木紳平
REPORT:斉藤精一郎



 2年目のD1SLが熊本のセキアヒルズで開幕した。車両レギュレーションが一部変更になり、より厳しくなった。特に影響が大きかったのはGTウイングのサイズで、ボディ幅よりも片側16cm以上狭いものでないと認められないことになったため、多くの選手が装着していたウイングを取り外して参戦することになった。それによって車両の特性が変わり、苦労した選手も少なくなかった。
 トップ選手でも何人かが車両製作が間に合わずに参戦を見合わせたが、地元九州をはじめとして多くの選手が参戦した。特に注目されたのが16歳ながら特例で参戦を認められた金岡真矢だ。フォーミュラの経験があり、D1SL地方戦で上位に入ってD1SLライセンスを獲得し、D1SLに参戦を開始した。またRE雨宮が製作したRX-7が、ムッシュ鈴木こと鈴木智哉のマシンとして登場した。
 天候は予選日、決勝日とも晴天に恵まれた。予選日は寒かったが、決勝日は気温も上がって暖かい日差しのもとで開幕戦が行われた。

 予選日にはD1SL選考会も行われ、1名が出場権を獲得した。その結果、予選には、シード選手をのぞく50名がエントリー。シード選手3名が出走しなかったので、通常より3名多い23名が決勝日の単走1回戦に進めることになった。
 予選の審査員はD1GPドライバーの熊久保と野村が担当した。審査区間は例年どおり、最終コーナーを立ち上がったところから、3コーナーの先で振りっ返したところまで。予選の審査で要求されたポイントは1コーナーにはストレートのアウト側から進入すること。2コーナーの先ではアウトいっぱいまではらむこと。3コーナーではクリッピングポイントに寄せること。1コーナー飛び込みのインパクトが重要視されるいっぽう、ストレートでの大きな蛇行や大きな逆振りは評価が低くなるとされた。順位は2人の採点の平均でつけられ、平均点が同じ場合は車速が高いほうが上位とされた。
 予選の上位に入ったのは、末永(直)、松井といった上位の常連組に、山下、安河内といった地元組。そして16歳の金岡が高いスピードと見事なマシンコントロールで5位に入った。いっぽうで、昨年の準優勝者、比屋根が調子を崩して敗退。まだマシンに乗り慣れていない鈴木(智)も敗退した。昨年の最終戦ではかろうじて予選を突破したD1最高顧問・稲田大二郎も、車速の差で及ばず予選不通過となった。


予選採点結果
順位
NO.
ドライバー
熊久保採点
野村採点
採点平均
車速(km/h)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23

16
11
45
22
59
21
19
27
25
23
15
14
36
56
46
58
31
12
39
37
60
49
38

末永直登
松井有紀夫
山下和孝
安河内真一郎
金岡真矢
田中省己
平島昭彦
下田輝昭
山口 修
中村直樹
三上正実
福山博行
鷲見 賢
林 和樹
林田和也
横井昌志
中村裕二
駒形行春
初田宏治
中尾友和
坂井栄司
北芝倫之
野口和也

98.50
98.00
98.00
98.00
98.00
98.00
97.50
97.50
97.00
97.00
97.00
97.00
96.50
96.50
96.00
96.00
96.00
96.00
95.50
95.50
96.00
96.00
95.50

99.30
99.00
98.30
98.00
98.00
98.00
98.50
98.00
98.00
97.90
97.80
97.60
98.00
97.80
97.70
97.60
97.60
97.30
97.80
97.70
97.20
97.20
97.60

98.90
98.50
98.15
98.00
98.00
98.00
98.00
97.75
97.50
97.45
97.40
97.30
97.25
97.15
96.85
96.80
96.80
96.65
96.65
96.60
96.60
96.60
96.55

109.30
108.20
107.60
115.50
112.40
111.00
110.50
113.20
113.80
113.10
104.40
110.10
109.10
105.30
105.30
108.70
102.50
110.50
103.40
112.50
106.10
105.40
110.20

▲以上予選通過▲

24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44

28
55
48
29
24
33
34
17
54
53
57
51
20
44
35
52
18
47
42
32
13

吉本雅樹
稲田大二郎
岡崎明美
吉里賢司
安藤正樹
新川武志
竹下秀樹
鈴木智哉
佐野真治
北山京吾
太田 勲
岸梅美幸
古賀誠進
野崎 巌
小堀端満也
是友健司
本間岩次郎
小野田貴之
中澤昌司
吉村琢也
比屋根誉

95.50
95.50
95.50
95.00
95.00
95.50
95.00
95.00
95.00
95.00
95.00
95.00
95.00
94.50
94.00
94.00
93.00
93.00
93.00
93.00
0.00

97.60
97.60
97.30
97.70
97.70
97.20
97.60
97.60
97.40
97.30
97.30
97.30
97.30
97.40
97.70
97.20
97.70
97.00
97.00
97.00
0.00

96.55
96.55
96.40
96.35
96.35
96.35
96.30
96.30
96.20
96.15
96.15
96.15
96.15
95.95
95.85
95.60
95.35
95.00
95.00
95.00
0.00

108.50
102.00
111.70
106.50
106.10
102.40
107.60
105.00
103.40
115.40
109.30
105.40
104.80
108.60
101.80
105.20
110.20
104.20
101.90
88.90
0.00

45
46
47
48
49
50

26
30
40
41
43
50

佐野邦人
村田郁雄
西尾欣也
内海彰乃
吉田義和
藤川昌大

リタイヤ
リタイヤ
リタイヤ
リタイヤ
リタイヤ
リタイヤ



 単走1回戦からは通常どおり土屋圭市が審査員長を務め、熊久保、野村と3人で審査を行った。平均点と車速で順位がつけられるのは予選と同様だが、1ポイントが加算される100点に関しては、審査員の誰かひとりが100点をつければ認められることになった。審査基準は予選と同様。1コーナーはミドルラインで審査席に向けて飛ばすこと、“無重力感”(タイヤのグリップを一気に失わせて飛ばすような思い切った挙動)、飛び込んでからは早めにアクセルを踏み直して白煙を出すことが高得点につながることなどが伝えられた。
 トップ通過したのは福岡の山口(修)。捨て身とも思える派手な飛び込みを見せて2人から100点を獲得した。上位陣では、今年からavexのスポンサーがつき、カラーリングをチェンジした植尾が強烈な走りを披露。キレもスピードも迫力もある走りで100点を獲得した。また、金岡は30選手中トップの車速を記録し、4位で単走1回戦を突破した。いっぽうで末永(正)と日比野がミスを連発して敗退。末永は今季からタイヤをTOYOに替えたが、まだセッティングデータがないことから路面コンディションにクルマを合わせることができなかった。また日比野はGTウイングを外したことで、想像していたよりリヤが食わなかったという。


1回戦得点順位
順位
NO.
ドライバー
土屋採点
熊久保採点
野村採点
採点平均
車速(km/h)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16

25
6
9
59
7
11
45
31
21
19
58
37
22
4
16
1

山口 修
植尾勝浩
松川和也
金岡真矢
出浦史郎
松井有紀夫
山下和孝
中村裕二
田中省己
平島昭彦
横井昌志
中尾友和
安河内真一郎
岡村和義
末永直登
萩迫貴史

100
100
99.80
99.90
99.80
99.50
99.30
99.50
99.50
99.50
99.80
99.30
99.30
99.00
99.00
99.00

100
99.80
99.70
99.50
99.30
99.30
99.00
99.00
99.00
98.80
98.50
98.80
98.80
99.00
98.80
98.80

99.90
99.90
99.60
98.80
98.70
98.90
99.00
98.60
98.50
98.70
98.50
98.60
98.50
98.60
98.60
98.50

99.97
99.90
99.70
99.40
99.27
99.23
99.10
99.03
99.00
99.00
98.93
98.90
98.87
98.87
98.80
98.77

112.30
115.70
115.60
117.10
110.50
113.70
107.60
101.20
112.80
110.30
109.30
113.30
112.90
111.20
109.60
110.00

▲以上1回戦通過▲

17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30

3
39
27
23
2
12
14
15
38
49
46
36
56
60

日比野哲也
初田宏治
下田輝昭
中村直樹
末永正雄
駒形行春
福山博行
三上正実
野口和也
北芝倫之
林田和也
鷲見 賢
林 和樹
坂井栄司

99.00
99.00
98.50
98.50
98.50
98.50
98.70
98.50
98.50
98.70
98.50
98.00
0.00
0.00

98.50
98.00
98.30
98.50
98.30
98.00
98.00
98.00
98.00
97.80
97.80
97.80
0.00
0.00

98.30
98.40
98.40
98.20
98.30
98.50
98.20
98.40
98.30
98.00
98.20
98.30
0.00
0.00

98.60
98.47
98.40
98.40
98.37
98.33
98.30
98.30
98.27
98.17
98.17
98.03
0.00
0.00

109.40
103.10
112.20
109.60
112.70
106.60
109.50
105.20
109.80
108.50
106.30
106.80
0.00
0.00

31
32
33

5
8
10

猪瀬 徹
古口美範
斉藤太吾

出走せず
出走せず
出走せず



 追走トーナメント最初の対戦は、トップ通過した山口(修)と、ギリギリ通過した昨年のチャンピオン萩迫。山口はスピードで上まわり、1本目にはアドバンテージを得るが、2本目は気負いすぎたのか1コーナーでスピン。萩迫が勝った。
 中村(裕)と田中(省)の対戦は、1本目に田中のドリフトが戻って中村の勝利。出浦vs中尾は再戦の1本目に中尾にミスがあって出浦の勝利。金岡vs安河内は、金岡が後追いで安河内についていけず安河内の勝利となった。シード選手同士の対決となった松川vs岡村は、岡村もいい走りを見せたが、このコースを得意としている松川の飛距離にかなわず松川の勝利。松井vs横井の対戦は、両者ともきれいな追走を見せて再々戦に突入。最後は食い込んだ度合いの差で松井の勝利となった。地元の仲間同士でもある山下vs平島は、1本目に平島にミスがあり、山下の勝利。植尾vs末永(直)は、2本目に植尾のドリフトが戻って末永の勝ちが決まった。
 ベスト8最初の対戦は萩迫と中村。最初の2本はどちらもミスがあり、再戦に入った。再戦では1本目で中村にミスがあり、2本目には後追いの萩迫が3コーナーでビタビタの食い込みを見せて、萩迫の勝ちとなった。
 出浦vs安河内の対戦は、1本目、後追いの安河内が出浦のインに入る。2本目、後追いの出浦は2?3コーナー間で少し離され、インに入りきれずに終わる。安河内の勝ちとなった。
 松川vs松井の対戦は、イーブンの展開で再戦に突入。再戦でも両者はいい走りを見せたが、2本目の後追い時に松川が見せた飛び込みのときの角度が高く評価され、松川が準決勝進出となった。
 山下vs末永(直)はクリーンな追走の応酬で再々戦にまでもつれこむ。その1本目に末永がアンダーを出し、2本目には山下がビタビタに食い込んで、山下の勝利が決まった。


 準決勝の対戦カードは、萩迫vs安河内と、松川vs山下。どちらもシード選手対地元ドライバーという組み合わせになった。
 萩迫vs安河内の1本目は萩迫が先行。セキアヒルズをホームコースとしている安河内は、コーナリングスピードが速く、やや角度は浅かったものの、萩迫のインにきれいに入ってみせた。2本目は萩迫も安河内のインを狙ったが、3コーナーの手前で一瞬ドリフトが戻ってしまう。距離を詰めすぎて、サイドを引いて角度とスピードをコントロールしようとしたが、クラッチをつなぎ直したときに回転が落ちすぎていてドリフトを維持できなかったのだという。これで安河内の決勝進出が決まった。
 松川vs山下の1本目は松川が先行。松川は1コーナーの途中で一瞬角度が浅くなる。その先でもリヤタイヤをダートに落としたが、これは姿勢を乱さなかったため減点はなし。いっぽうで、後追いの山下は3コーナーの途中でギヤが入らず完全にアンダーステアを出してしまう。両者のミスの度合いからわずかに松川有利という判定になった。2本目は山下が先行。松川は飛び込みで鋭い振りと大きな角度を見せアドバンテージをとる。これで松川の決勝進出が決まった。
 いつもはアツくなってコースアウトしてしまうことが多い松川だが、この日はD1GPドライバーである兄がスポッターとして来ていた。その兄に「なにも変えんでいい」「スピードを上げるな」という指示を受けていたことで、抑えて走ることができたという。
 決勝は安河内と松川という組み合わせになった。どちらも決勝は初進出だ。
 1本目は安河内が先行。後追いの松川は、先行の安河内の後ろで同時にテールを振り出し、1コーナーに飛び込むと、3コーナーでは安河内のインに食い込んだ。2本目は松川が先行。両者が1コーナーに飛び込んだところで後追いの安河内のラインがイン寄りになりすぎ、2コーナーで縁石をまたいでしまった。そこで姿勢を乱した安河内のドリフトが戻り、松川の優勝が決まった。



※上位入賞選手の大会後のコメントは、D1ケータイサイトでご覧になれます。(http://www.msf.ne.jp/d1gp/


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