9月22、23日 オートポリス
■コースコンディション:ドライ
■観衆:15,500人

PHOTO:上尾雅英/鈴木紳平
REPORT:斉藤精一郎

 これまでは夏の前半に開催されてきたオートポリスでのD1GPだが、今年は夏の終わりの開催となった。2007年シリーズも残り2戦となり、川畑、熊久保、末永(正)のトップ3がわずか6pts以内でタイトルを争うなかで、最終戦を有利な状況で迎えるためには非常に重要なラウンドとなった。
  開催日は両日とも晴天にめぐまれ、オートポリスのファイナルコーナーには昨年を上まわる過去最多の観衆が集まった。

 予選にはシード選手をのぞく40名がエントリー。このラウンドでのシード選手は11名のため、予選参加者中19名が本戦日の単走1回戦に進出できることになった。
  審査コーナーは昨年と同様だ。ファイナルコーナーを逆走で使用。ストレートを加速してきて、ファイナルコーナーに飛び込み、振りっ返してアウトまで飛ばしたところまでが審査区間となった(D1GPでは便宜的にこの逆走レイアウトでの最初の右コーナーを1コーナー、次の左コーナーを2コーナーと呼んでいる)。
  審査ポイントは、ストレートを大きな蛇行をせずに加速し、アウトいっぱいから振り出すこと。1コーナーでクリッピングポイントに寄せること、審査席前でアウトいっぱいまで飛ばすことが要求された。またストレートエンドの車速を計測し、あまりに遅い場合は減点となるほか、得点が同じ場合の順位づけも車速で行われることになった。
  1コーナーには副審の神本が配置され、従来よりシビアに審査された。ドリフトのきっかけのためのサイドブレーキ(リヤタイヤのロック)はいいが、距離合わせのためにサイドを引き直したり、リヤタイヤが止まっている時間が長いと減点。また、ドリフトの飛距離が長くても、1コーナー進入時に車速が大きく落ちている場合も減点とされた。いっぽうで、スパッと一発で姿勢が決まり、アクセルを踏み込んで1コーナーにアプローチしていくような走りにはファンタスティック旗(日の丸)が上がって得点が加算されることになった。
  予選を最高点で通過したのは猪瀬。進入速度最速の203km/hで超ロングサイドドリフトを見せ、トップ通過した。そのほかにはスムーズなロングドリフトを見せた上野や高い進入速度を見せた岡村らが上位通過した。いっぽうで上位陣では、1コーナーの奥で流され気味だった古口や、走りが安定せず車速も伸びなかった田中らが予選敗退となってしまった。


オートポリス
単走主要審査ポイント

予選順位表
順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19

12
22
16
45
20
18
17
42
25
35
14
37
46
41
13
29
31
39
21

猪瀬 徹
上野高広
岡村和義
田所義文
佐久間達也
植尾勝浩
高取道博
水畑 力
廣田友和
山下広一
吉岡稔記
岩井照宜
荻野目久
藤中 学
小師賢作
時田雅義
高山健司
野沢 巧
高橋邦明

99.85
99.85
99.70
99.60
99.50
99.50
99.50
99.50
99.50
99.50
99.50
99.30
99.30
99.30
99.30
99.00
99.00
98.80
98.80

203
191
192
187
192
190
188
184
183
181
174
193
190
184
177
184
181
186
184

▲以上予選通過▲

20

40

箕輪慎治

98.80

183

▲以上予選リザーブ通過▲

21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40

24
15
43
30
28
50
47
26
23
38
36
34
32
48
33
51
19
49
27
44

藤尾 勉
古口美範
小畑仁宏
前田 謙
松田豊久
横井昌志
児玉泰宗
末永直登
田中一弘
ドリフト侍
小山 哲
一柳和人
吉岡秀一
平島昭彦
林 渡
初田宏治
春山 隆
松川真二
地主亮治
寺崎 源

98.80
98.70
98.70
98.70
98.70
98.50
98.50
98.50
98.30
98.00
98.00
98.00
98.00
97.00
96.50
95.00
90.00
0.00
リタイア
リタイア

179
193
180
176
160
184
176
174
179
186
182
180
177
175
160
174
191
-
-
-



 単走1回戦には30名が出走。審査ポイントは予選時とほぼ同様だが、振り出し時のアウトへの寄せは、ハミ出した場合に危険が大きすぎるという判断から、あまりシビアには見られないことになった。
  ドリフトのスタイルは選手によって分かれた。まず、強烈な角度でアピールしたのが川畑や熊久保だ。特に川畑は角度をつけるときの振りの鋭さも見事で、100点を2本連続で獲得した。いっぽう飛距離でアピールしたのが上野、今村ら6気筒勢だ。野村や手塚は走行によってスタイルを変えてみせ、佐久間は徹底してスピードを求めた走りをした。また吉岡は奥めからクラッチ蹴りでドリフトに持ち込み、加速しながら1コーナーに飛び込むというハチロクならではのスタイルで観客を沸かせた。
  結果7名が100点を獲得。そのうち車速がもっとも高かった佐久間が1位通過となった。ちなみに猪瀬は206km/hで最速をマークしたが、ラインが完璧ではなかったので100点はとれなかった。ベスト16進出のボーダーラインは99.90という高さになった。シード選手では内海と平岡が、大きなミスはなかったものの、車速による順位づけで追走トーナメント進出を逃した。また日比野は飛び込みの角度こそよかったものの、2本連続でミス。3本目はなんとかまとめたが、かなり抑えて走ったために得点は伸びず、単走1回戦敗退となった。

1回戦得点順位
順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16

20
22
5
1
2
4
14
11
46
29
9
16
12
8
3
17

佐久間達也
上野高広
手塚 強
川畑真人
熊久保信重
野村 謙
吉岡稔記
斉藤太吾
荻野目久
時田雅義
今村陽一
岡村和義
猪瀬 徹
黒井敦史
末永正雄
高取道博

100
100
100
100
100
100
100
99.95
99.95
99.95
99.95
99.93
99.90
99.90
99.90
99.90

200
198
197
196
193
192
191
201
198
193
192
197
206
197
194
194

▲以上1回戦通過▲

17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30

7
10
21
6
45
18
42
39
25
35
41
13
37
31

内海彰乃
平岡英郎
高橋邦明
日比野哲也
田所義文
植尾勝浩
水畑 力
野沢 巧
廣田友和
山下広一
藤中 学
小師賢作
岩井照宜
高山健司

99.90
99.90
99.87
99.85
99.85
99.80
99.80
99.80
99.80
99.50
99.00
99.00
98.50
0.00

193
192
194
193
192
195
194
191
190
186
189
188
196
186



 追走トーナメントは、川畑と熊久保がベスト8で対戦する組み合わせになっていた。いっぽうで末永は別の山に入り、決勝まで川畑、熊久保との対戦はない。タイトル争いはこれまでの三つ巴から急展開を見せそうな気配があった。
  ベスト16最初の対戦は佐久間vs高取。1本目に後追いの高取が振りっ返しでアンダーステアを出し、佐久間が勝利。6年ぶりに追走に進出した荻野目は斉藤と対戦したが、後追いでコースアウトして敗退した。熊久保vs岡村は、1本目の2コーナーで岡村のドリフトが戻り、熊久保の勝利。川畑vs猪瀬は、2本とも猪瀬がコースアウトして川畑が勝った。手塚vs黒井の対戦は、1本目の後追いでビタビタに行った黒井が、2コーナーの先で角度をつけすぎて失速、ハーフスピンをしたのが決め手となって手塚が勝った。
  野村vs今村は、1本目が野村先行。今村は後追いながら先に振り出し、その先でも野村のインに入ってアドバンテージをとる。2本目は野村も今村についていくが、インに入るところまではいけず、今村の勝ちとなった。吉岡vs時田は再戦に突入。再戦では2本とも吉岡のスピードが上まわり、吉岡の勝ちとなった。
  タイトル争いに加わっている末永(正)は、上野と対戦した。1本目は上野が先行。上野は振り出しのタイミングと角度で圧倒的に上まわり、後半は末永が差を詰めるも、上野にアドバンテージ。2本目も上野は後追いながら先にテールを振り出し、末永についていく。直線でのパワーの差が大きく出た結果、末永の敗退となった。
  ベスト8では、まず佐久間と斉藤が対戦。1本目に斉藤が審査席前でコースアウトし、佐久間の勝ち。そしてランキング1位と2位の直接対決となった川畑vs熊久保は、1本目に後追いの川畑が熊久保とほぼ同時に振り出しつつ距離を詰め、アドバンテージを獲得。2本目は後追いの熊久保が1コーナーの進入で浅くなり、審査席前ではコースアウトして川畑の勝利となった。
  手塚vs今村は、2本目に手塚がビタビタの寄せを見せるも、詰めすぎて接触し、スピンをしてしまって今村の勝利。吉岡vs上野は、吉岡が後追いの2本目に2コーナーで流されてコースアウト。上野が勝った。


 準決勝のひと組目は佐久間vs川畑。同じカラーリングのチームTOYO同士の対戦となった。今季これまでは自分の色が出せずに、なにもかもが中途半端になってしまって低迷していたという佐久間だが、このラウンドではスピードに的を絞って走った結果、ひさしぶりに準決勝進出を果たしていた。川畑もポイントランキングでは頭ひとつ抜け出ていたこともあって、チームオーダーなどは発令されなかったようで、佐久間も思いきって全開で臨んだという。
  1本目は佐久間が先行。佐久間もノーミスのきれいなドリフトを見せるが、川畑はストレートで佐久間と同時に振り出し、振りっ返しでもほぼ同時に向きを変え、角度まで揃えて、まるでツインドリのような見事な追走を見せてアドバンテージをとった。2本目は佐久間も川畑についていくが、川畑のほうが振りの鋭さや角度があり、佐久間が逆転するには至らなかった。川畑の決勝進出が決まった。なお、この時点で、末永(正)のチャンピオン獲得の可能性は消えた。
  準決勝のもうひとつの対戦は今村vs上野。どちらもパワーを生かして飛び込みの角度と飛距離でアドバンテージをとってきたドライバーだ。1本目は今村が先行。今村もノーミスの走行だったが、上野は後追いながら今村と同時に振り出し、その先でもピッタリついていく。わずかに上野アドバンテージ。2本目は上野が先行。今村は上野に対して振り出しがやや遅れ、その先でも差を詰めることができない。またも上野がアドバンテージをとって、じつに6年ぶりの決勝進出を決めた。
  1本目は川畑先行。それまでどおり川畑は大きな角度をつけて1コーナーに飛び込み、振りっ返しでも再び大きな角度をつける。すると1コーナーの奥で上野が流れ、振りっ返しのタイミングが遅れた。そのための上野はそのまま2コーナーの奥に流されてしまいコースアウト。川畑が圧倒的なアドバンテージをとる。川畑は2本目も、食い込むほどではないにしろきれいな追走を見せて、優勝を決めた。
  このラウンドの結果、チャンピオンの可能性を残すのは川畑と熊久保の2人に絞られたが、その差は16ポイントと大きく開いた。最終戦に向けて、川畑のチャンピオン獲得の可能性が高まってきた。



※上位入賞選手の大会後のコメントは、D1ケータイサイトでご覧になれます。
http://www.msf.ne.jp/d1gp/
この大会の模様は
「VIDEO OPTION VOLUME No.164」
に収録予定です。



順位
順位
No.
ドライバー名 マシン名

1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
11位
12位
13位
14位
15位
16位

1
22
9
20
14
11
5
2
29
4
46
8
3
12
17
16

川畑真人
上野高広
今村陽一
佐久間達也
吉岡稔記
斉藤太吾
手塚 強
熊久保信重
時田雅義
野村 謙
荻野目久
黒井敦史
末永正雄
猪瀬 徹
高取道博
岡村和義

TEAM TOYO with GP SPORTS S15
T&E VERTEX TE3006ソアラ
ORC with TOPSECRET VQ Z33
TEAM TOYO with APP S-15
ヤマサエスペリアwithアドバン AE86
K&L フナッツ マイブランズ マークII
B324R
YUKE’Sクスコ チームオレンジ ランサー with ORC
アドバンスサンコーwithオートサービスTOKITAソアラ
BLITZ DUNLOP ER34
HPI 白金クリニック TOYO with EW S15
TOYO with リバーサイド ワンビア
トラスト雨宮 with TOYO D1-7
FRIENDS S15
SA京都伏見ファルケン スカイライン
YFニスモ偉人号


ポイントランキング
順位
ドライバー
チーム名 ポイント

1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位

川畑真人
熊久保信重
末永正雄
野村 謙
手塚 強
今村陽一
斉藤太吾
日比野哲也
吉岡稔記
内海彰乃

TEAM TOYO with GP SPORTS
YUKE'Sチームオレンジ
TRUST
BLITZ
Bee☆R
ORC with TOPSECRET
K&L フナッツ マイブランズ
D-MAX・SunRISE
ヤマサエスペリアwithアドバン チームドルーピー
ORIGIN BENELOP NKB レーシングチーム

98pts
82pts
72pts
55pts
52pts
37pts
30pts
27pts
27pts
26pts


NO.
ドライバー 車名 車両型式
馬力
成績
1
川畑真人 シルビア S15
530
1位
2
熊久保信重 ランサー・エボリューションIX CT9A
550
8位
3
末永正雄 RX−7 FD3S
500
13位
4
野村 謙 スカイライン ER34
530
10位
5
手塚 強 スカイラインGT−R BNR32
544
7位
6
日比野哲也 カローラ・レビン AE86
320
1回戦敗退
7
内海彰乃 シルビア PS13
420
1回戦敗退
8
黒井敦史 シルビア PS13
557
12位
9
今村陽一 フェアレディZ Z33
600
3位
10
平岡英郎 シルビア S15
480
1回戦敗退
11
斉藤太吾 マークII JZX100
700
6位
12
猪瀬 徹 シルビア S14
750
14位
13
小師賢作 スプリンター・トレノ AE86
380
1回戦敗退
14
吉岡稔記 スプリンター・トレノ AE86
300
5位
15
古口美範 180SX RPS13
480
予選不通過
16
岡村和義 シルビア S15
600
16位
17
高取道博 スカイライン ER34
600
15位
18
植尾勝浩 シルビア S15
480
1回戦敗退
19
春山 隆 ローレル C35
500
予選不通過
20
佐久間達也 シルビア S15
450
4位
21
高橋邦明 チェイサー JZX100
530
1回戦敗退
22
上野高広 ソアラ JZZ30
650
2位
23
田中一弘 インプレッサ GDB
650
予選不通過
24
藤尾 勉 RX−7 FD3S
450
予選不通過
25
廣田友和 ヴェロッサ JZX110
593
1回戦敗退
26
末永直登 インプレッサ GC8
500
予選不通過
27
地主亮治 ソアラ JZZ30
600
リタイア
28
松田豊久 カローラ・レビン AE86
220
予選不通過
29
時田雅義 ソアラ MZ12
550
9位
30
前田 謙 スプリンター・トレノ AE86
400
予選不通過
31
高山健司 RX−7 FC3S
400
1回戦敗退
32
吉岡秀一 シルビア S15
450
予選不通過
33
林 渡 カローラ・レビン AE86
230
予選不通過
34
一柳和人 シルビア PS13
490
予選不通過
35
山下広一 RX−8 SE3P
500
1回戦敗退
36
小山 哲 フェアレディZ Z32
535
予選不通過
37
岩井照宜 シルビア S15
450
1回戦敗退
38
ドリフト侍 RX−7 FC3S
450
予選不通過
39
野沢 巧 シルビア S14
430
1回戦敗退
40
箕輪慎治 シルビア S15
400
予選不通過
41
藤中 学 RX−7 FD3S
500
1回戦敗退
42
水畑 力 シルビア S15
430
1回戦敗退
43
小畑仁宏 カローラ・レビン AE86
350
予選不通過
44
寺崎 源 S2000 AP1
480
リタイア
45
田所義文 スプリンター・トレノ AE86
280
1回戦敗退
46
荻野目久 シルビア S15
450
11位
47
児玉泰宗 180SX RPS13
500
予選不通過
48
平島昭彦 シルビア PS13
380
予選不通過
49
松川真二 シルビア S15
400
予選不通過
50
横井昌志 シルビア S15
380
予選不通過
51
初田宏治 シルビア S14
390
予選不通過

Rd.6 AUTOPOLIS 掲載紙 リスト

●WEB
NISMO WEB SITE 年内アップ予定
●雑誌
UP GARAGE MAGAZINE
Vol.7 掲載中
スポーツニッポン新聞
9/27発行号掲載
月刊CARPLAY
10/5発売号掲載
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