■7月14日 ラスベガス・モータースピードウェイ特設会場
■コースコンディション:ドライ
■観衆:14500人

PHOTO:上尾雅英
REPORT:斉藤精一郎


 昨年に引き続いて、ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モータースピードウェイでD1のエキシビションマッチが開催された。今年もNHRAのドラッグレースと同時開催。日中は気温が40℃を超える猛暑となるため、イベントは夕方から開催され、深夜に競技が終了するというタイムスケジュールで行われた。
ラスベガス・モータースピードウェイには、NASCARのシリーズ戦が開催される1周1.5マイルのオーバルコースのほか、ドラッグコースやダートトラックも備えられている。D1の会場となったのは、ドラッグコースのすぐ横にある広大な駐車場の一角だ。ここに特設コースと仮設スタンドを設営して競技が行われた。
観客は、少し移動すればD1と交互に行われるドラッグレースを観ることもでき、パドックにはさまざまなクルマが展示され、特設ステージでショーイベントも行われるというクルマの祭典に、日が沈むころから多くの観客が訪れた。
このイベントに日本人ドライバーは13名がエントリー(そのうち黒井はマシンが間に合わずリタイヤ)。さらにアメリカでD1権を持つ7名のほか、前日のドライバーサーチ(いか天USA)でD1権をとった2名が加わり、計21名で競技が行われた。

 エキシビションマッチということで、通常のような予選は行われなかった。その代わり、決勝日の前日にはD1参加権取得のためのドライバーサーチが行われた。D1権を持っていない現地ドライバーのほかD1グランプリ最高顧問である稲田大二郎も参加して、計9名が出走したが、D1権を獲得できたのはフォレスト・ワンとジェイソン・ビーティの2名にとどまった。
決勝日の単走1回戦には21名が出走した。単走1回戦で要求されたラインは、1コーナーへはアウト寄り(壁から約3m以内)から進入すること。1コーナーのクリッピングポイントで約2m以内に寄せること。1コーナーの立ち上がりでアウト側に寄せること。2コーナーのクリッピングポイントでイン側に寄せること(スピードが高ければ2mくらいまで外してもOK)。3コーナーのクリッピングポイントで約1.5m以内に寄せること。もちろん車速や角度、タイヤスモークなども審査の対象となる。
単走1回戦は、まだ日差しが残る5時半ごろから始まった。昨年は熱狂的な雰囲気と熱すぎてグリップしない路面のせいでクラッシュが続出したため、今年の単走1回戦は日本のトップ選手もやや抑えめな走りとなった。なお日本選手は、海外ラウンド用のニューマシンやかつてD1GPで走っていたマシンなど、国内のD1GPとは違うマシンを持ち込んで走行した。
100点をマークした選手は出なかったが、昨年の勝者である吉岡がコーナリングスピードをぞんぶんにアピールした走りで1位通過。大きな角度と白煙、見事なラインどりを見せた上野がそれに続いた。日本選手にはクラッシュもなく、12名全員がベスト16に進出。しかしアメリカ勢はクラッシュも多く、ジョン・ラッサコフは、1本目に高得点を獲得していたものの3本目にクラッシュしてリタイヤとなってしまったため、アーニー・フィクスマーが繰り上がって追走トーナメントに進出した。



ラスベガス特設コース単走主要審査ポイント

1回戦得点順位
順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

順位
NO.
ドライバー
最高点

車速
(km/h)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16

10
12
13
2
4
17
6
7
11
9
5
8
20
1
15
16

吉岡稔記
上野高広
田中一弘
野村謙
今村陽一
ライアン ハンプトン
平岡英郎
岡村和義
植尾勝浩
斉藤大吾
日比野哲也
高取道博
ジャスティン パウラック
熊久保信重
クオック ライ
ジョン ラッサコフ

99.90
99.85
99.80
99.70
99.70
99.50
99.50
99.50
99.50
99.50
99.50
99.30
99.30
99.00
99.00
99.00

144
144
135
140
140
141
139
138
137
133
128
137
130
135
135
129

▲以上予選通過▲

17
18
19
20
21
22

14
21
22
19
18
3

アーニー フィクスマー
ジェイソン ビティ
フォレスト ワン
ジャイター スリトンハム
シャニン プラポユニオン
黒井敦史

97.50
97.00
95.00
0.00
0.00
リタイア

126
130
120
138
127
-


 追走からはD1最高顧問の稲田大二郎と、実況の鈴木学が審査に参加し、審査員長の土屋圭市と3人で審査が行われた。
 ベスト16最初の対戦は吉岡vsフィクスマー。吉岡は先行時にはフィクスマーに距離を詰めさせず、後追い時には間隔を開けておいてから審査席でインを差し完勝した。
 岡村vs植尾は、岡村がピンクのPS13型シルビア、植尾が昨年までD1GPで平岡が乗っていた白いS15型シルビアで出走していた。1本目は後追いの植尾がインを差し、2本目は植尾のインを狙った後追いの岡村が2コーナーで大きくインカットしてしまい植尾の勝ちとなった。
 昨年までD1GPに使用していたRB26エンジンを積んだZを駆る今村は、2005年までD1GPに使っていたセフィーロを持ち込んだ高取と対戦。1本目に後追いの高取がハーフスピン。2本目には今村がきっちり高取のインを差し、今村が勝った。
 野村vsパウラックは野村にも小さいミスがあったが、パウラックは2本ともアウトに流され、2本目には野村が後追いからパウラックを抜き去って勝利を決めた。
 チームメイト同士の対戦となった田中vs熊久保は、ほかのどの対戦をも上まわる強烈な追走を披露。両者ノーミスだったが再々戦の末に、角度や食い込みで勝った田中の勝ちとなった。
 ハンプトンvs日比野は、ハンプトンがスピン、アンダーステアとミスを連発。白いS15型シルビアを投入した日比野が勝った。
 赤いS15型シルビアのニューマシンを持ち込んだ平岡と、昨年D1SLに使っていた赤いチェイサーに乗る斉藤太吾の対戦は再戦にもつれこみ、斉藤を上まわるビタビタ走行を見せた平岡が勝利。
 上野vsライは、ライが2コーナー付近でアウトに流された減点が決め手となって上野の勝ちとなった。
 ベスト8最初の対戦は吉岡vs植尾。再々戦の1本目には植尾がキレイに吉岡のインに入るが、3コーナーの手前でわずかにドリフトが戻ってしまう。前後を入れ替えた2本目は吉岡がビタビタ走行を見せて勝利を決めた。
 今村vs野村も再戦に突入。その1本目、1コーナーを抜けた後追いの野村は鋭い振りっ返しで今村のインを狙うが、減速の挙動がギクシャクしてしまう。これで今村アドバンテージ。2本目、今村はインをサスところまではいかないが、きれいに合わせていき、準決勝進出を決めた。
 田中vs日比野は、田中が先行時には1コーナーの角度で勝り、後追い時にはビタビタの追走を見せて勝利。平岡vs上野は、上野もノーミスだったがスピードと角度で平岡が勝った。


 準決勝最初の対戦は吉岡vs今村。なにがなんでも勝つというよりは、いい走りをお客さんに見せたかったというふたりは、お互いに自分の得意なところと苦手なところを教えあってからスタートしたという。
 1本目は吉岡が先行。今村は1コーナーの角度はいいがコーナーでは吉岡のスピードに離されてしまう。しかし2本目は今村が角度で勝ち、吉岡もビタビタに差すところまではいかない。これで再戦に突入した。その1本目、今度は後追いの今村が1コーナー先のアウト側で吉岡のインを差すが、そこから流されてしまい再び吉岡に引き離される。吉岡アドバンテージ。しかし次の走行では、今村が1コーナー飛び出しでの角度で勝り、吉岡も今村のインを差しきれなかったために今村アドバンテージ。勝負は再々戦にもつれこんだ。
 再々戦1本目。コーナリングスピードで吉岡に劣る今村は、後追いからドリフトを合わせてはいくがインには入りきれない。その2本目、吉岡は後追いから2コーナーでついに今村のインを差す。しかし、3コーナーに振りっ返したところでアウトにはらんでしまいスピン。これが決め手となって今村の勝利が決まった。
 準決勝のもうひと組は田中vs平岡。ベスト16、ベスト8で見事な後追いを見せて勝ち上がってきたドライバー同士の対戦となった。
 1本目は田中が先行。加速性能では平岡のマシンが優れていたようで、平岡は後追いながら、先行の田中とほぼ同時にテールを振り出す。その先では食い込みきれないが、きれいに田中についていった。振り出しのタイミングが評価されて平岡アドバンテージ。2本目は田中が後追い。ここでも加速区間のスピードで平岡が上まわり、田中は後れをとってしまう。やはり振り出しの角度では平岡が勝る。田中は最後でやや距離を詰めるが食い込むところまではいけず、平岡の決勝進出が決まった。
 決勝は今村vs平岡。今村にとっては久しぶりの決勝進出だが、両者ともブリヂストン勢だったこともあり、肩の荷が下りてややホッとしていたという。いっぽうの平岡は、初めて乗るマシンで、序盤は思い通りに動かせない部分もあったが、しだいに乗り慣れてきて、なにも考えず、気分よく走れていたという。
 とはいえ、平岡にとってはその好調さがあだになった。1本目、先行は今村。平岡は今村の真後ろにピッタリつけてストレートを加速するが、1コーナーへの飛び込みで今村のスピードに合わせきれずドリフトが戻ってしまう。今村アドバンテージ。2本目、今度は後追いの今村が先行の平岡とほぼ同時にテールを振り出す。今村は、審査席前で少しアウトに流されるがなんとか平岡についていくと、平岡にもカウンターの戻りがあったため、今村の勝利が決まった。
 エキシビションとはいえ、フェアレディZが初めてD1で優勝。またORCチームもD1で初めての優勝となった。


※上位入賞選手の大会後のコメントは、D1ケータイサイトでご覧になれます。
http://www.msf.ne.jp/d1gp/
この大会の模様は
「臨時増刊 D1ラスベガス2」
に収録予定です。


順位
順位
No.
ドライバー名 マシン名

1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位

4
6
10
13
11
2
12
5
1
9

今村陽一
平岡英郎
吉岡稔記
田中一弘
植尾勝浩
野村 謙
上野高広
日比野哲也
熊久保信重
斉藤太吾

ORC with TOP SECRET FAIRLADY Z(Z33)
DRIFT SPEED SILVIA(S15)
Droo-P SPRINTER TRUENO(AE86)
Team ENEOS with SOL IMPREZA(GDB)
DRIFT SPEED SILVIA(S15)
BLITZ SKYLINE(ER34)
T&E SOARER(JZZ30)
SUNRISE&AION SILVIA(S15)
Team ENEOS with SOL IMPREZA(GDB)
K&L with FNATZ CHASER(JZX100)


NO. ドライバー 車名 車両型式 馬力 成績

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22

熊久保信重
野村謙
黒井敦史
今村陽一
日比野哲也
平岡英郎
岡村和義
高取道博
斉藤太吾
吉岡稔記
植尾勝浩
上野高広
田中一弘
アーニー フィクスマー
クオック ライ
ジョン ラッサコフ
ライアン ハンプトン
シャニン プラポユニオン
ジャイター スリトンハム
ジャスティン パウラック
ジェイソン ビティ
フォレスト ワン

インプレッサ
スカイライン
シルビア
フェアレディZ
シルビア
シルビア
シルビア
セフィーロ
チェイサー
スプリンター・トレノ
シルビア
ソアラ
インプレッサ
シルビア
240SX
カローラ
コルベット
240SX
240SX
RX-7
240SX
240SX

GDB
ER34
S13
Z33
S15
S15
S13
A31
JZX100
AE86
S15
JZZ30
GDB
S15
S13
AE86
C5
S13
S13
FC3S
S13
S14

400ps
530ps
450ps
600ps
400ps
400ps
500ps
400ps
450ps
260ps
400ps
650ps
400ps
400ps
350ps
220ps
395ps
350ps
420ps
300ps
350ps
380ps

9位
6位
出走せず
1位
8位
2位
ベスト16
ベスト16
10位
3位
5位
7位
4位
ベスト16
ベスト16
1回戦敗退
ベスト16
1回戦敗退
1回戦敗退
ベスト16
1回戦敗退
1回戦敗退


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