FIAインターコンチネンタルドリフティングカップ2019|ビジュアル FIAインターコンチネンタルドリフティングカップ2019|ビジュアル

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レポート Report

決勝の1本目に藤野は無念のトラブル発生!
ロシアのゴーチャが2年連続で優勝!

決勝戦 表彰式

ソロラン Solo Run

ダイナミックな走りでチャールズが単走優勝!

  • Solo Run 1st Place

    Charles Kaki Ng ( Team RYDANZ TIRES with T1 Racing ) SILVIA [ S14 ]

    チャールズ・カーキー・エン
  • Solo Run 2nd Place

    Yukio Matsui RX-7 [ FD3S ]

    松井有紀夫
  • Solo Run 3rd Place

    Georgy Chivchyan SILVIA [ S15 ]

    ゲオルギィ・チフチャン

 今年で3回目の開催となるFIAインターコンチネンタルドリフティングカップ。2017年と2018年はお台場の特設会場にて開催されていたが、今年は常設サーキットとなる筑波サーキットが舞台となった。
 競技区間はD1グランプリシリーズの筑波戦とほぼ同様だ。ただし、採点方法は大きく異なる。『ライン(40%)』『角度(30%)』『スタイル(20%)』『スピード(10%)』の要素で採点され、数値計測されるスピード以外は人間の審判員が採点した。なお、この単走決勝の上位15人がバトルトーナメントに進出となる。
 1コーナーの立ち上がりからいいラインにのせていかないとS字でつじつまが合わなくなってしまう筑波サーキットに苦戦した選手も多かったが、Aグループでは昨年度優勝のチフチャン(ゴーチャ)が89点を出すと、松井がラインやスタイルで高得点をかせぎ、90点を出してトップに立った。
 そしてBグループ。横井が速いドリフトを見せたが角度が浅く86点にとどまる。しかしエン(チャールズ)が、2本めに、きっちりラインをとりつつ角度も大きく、リズムもいい走りをして93点をマーク。単走優勝を決めた。
 なお、日本選手はおおむねレベルの高い走りで追走進出を決めたが、小橋がいい走りをしつつもヘアピンで出火してコースアウトし、また、D1グランプリシリーズでおなじみのトオインチャロン(ポン)はマシン不調でまともにドリフトできず、いずれも敗者復活をかけて争うコンソレーショントーナメントにまわった。

  • Tanso Topics

    Michael Whiddett RX-7 [ FD3S ]

    マイケル・ウィデット

    4ローター・ツインターボのRX-7を駆るマッドマイクことマイケル・ウィデットは、2本めにすごいスピードと迫力を見せたが、ストレートでアンダーを出し、1本めの82点を更新できなかった。

  • Tanso Topics

    Andrew Gray MARKⅡ [ JZX100 ]

    アンドリュー・グレイ

    フォーミュラドリフトジャパンで4回のチャンピオン経験があるグレイ(アンディ)もスピードのある走りを見せたが、87点にとどまった。

  • Tanso Topics

    Judges Point

    採点ポイント

    コースにはD1グランプリシリーズのときよりも多い通過指定ゾーンが設けられた。なお『ライン』『角度』『スタイル』の採点はそれぞれ別の審判員が単独で担当する。

ソロラン 結果

Pos. No. Driver Car Best
Score
Best Score 2nd
Score
2nd Score
Line Angle Style Max Speed Ave. Speed Overall Line Angle Style Max Speed Ave. Speed Overall
1 17 Charles Kaki Ng S14 39 27 19 5 3 93 37 24 15 5 3 84
2 5 Yukio Matsui FD3S 38 25 19 5 3 90 36 23 17 5 4 85
3 1 Georgy Chivchyan S15 36 27 17 5 4 89 37 23 15 5 4 84
4 3 Andrew Gray JZX100 36 24 17 5 5 87 32 20 18 5 5 80
5 6 Masashi Yokoi S15 36 22 18 5 5 86 33 22 16 5 5 81
6 4 Michael Whiddett FD3S 31 25 17 5 4 82 4 0 0 5 4 0
7 2 Masato Kawabata A90 36 22 15 5 3 81 28 20 13 5 4 70
8 8 Hideyuki Fujino RPS13 35 21 15 5 4 80 29 19 12 5 5 70
9 7 Yves Meyer ZN6 35 24 15 0 3 77 33 23 14 0 2 72
10 14 Jenchih Feng E92 34 19 14 5 5 77 27 20 14 5 5 71
11 12 Tengku Djan Ley E92 30 23 15 5 3 76 25 19 12 5 2 63
12 26 Chanatpon Kerdpiam RPS13 31 21 15 5 3 75 30 21 13 5 3 72
13 16 Zijun Zhao FD3S 33 22 12 0 5 72 30 19 12 0 3 64
14 10 Wenqian Chen S15 27 21 13 5 4 70 24 16 10 5 3 58
15 15 Ali Mustafa Makhseed JZX100 31 21 16 0 1 69 7 0 0 0 0 0
▲ バトルトーナメント進出 ▲
16 22 Zanil Satar ER34 32 19 14 0 3 68 27 16 11 0 2 56
17 24 Benjamin Chiam JZA80 25 19 13 5 4 66 13 0 0 5 5 0
18 20 Kitae Park BK38 29 20 11 0 2 62 6 0 0 0 0 0
19 18 Luca Merli S15 21 17 12 0 2 52 5 0 0 0 0 0
20 9 Daychapon Toyingcharoen ZN6 7 0 0 0 3 0 7 0 0 0 3 0
21 19 Masanori Kohashi S15 28 0 0 5 0 0 11 0 0 5 4 0
22 23 Toni Tsuyoshi Arakaki S15 0 23 15 0 0 0 0 0 0 0 0 0
23 25 Juan Stemmat S15 6 0 0 0 2 0 5 0 0 0 1 0
▲ コンソレーショントーナメント進出 ▲

ソロラン優勝 Solo Run WINNER

Charles Kaki Ng

Team RYDANZ TIRES with T1 Racing
SILVIA [ S15 ]

チャールズ・カーキー・エン

 昨日はギヤボックスのトラブルがあったんですけど、今日は直って、なんの問題もなく走れました。日本のD1グランプリシリーズで走っているクルマとは、ワイズファブも入っているし、左ハンドルだし、いろいろちがいますけど、これも2JZエンジンで車重も1260kgで、標準的ないいクルマだと思います。気に入っています。
 このコースは、とくに1コーナーに思いきって飛び込むことが重要だと思っていました。もうノーブレーキで。ブレーキを踏むと車速が落ちすぎてしまってクラッチを蹴ったり、いろいろよけいなことをしないといけなくなるんです。だから慣性を残して行けるような走りをしました。あとは早めにアクセルを全開にしたことですかね。
 1本めと2本めで、クルマはなにも変えていません。強いていえば、1本めを走ったあとなので空気圧がちょっと上がっていたくらいでしょう。ただ2本めのほうがもっと勢いよく思いきって走れたと思います。
 2本めはすごくうまく走れたと思います。パーフェクトでした。大きく大きく走って、ラインも完璧だったし、クルマも好調でした。
 いつもベストなパフォーマンスを出したいと思っていますが、運も必要なので、今日はそれが揃って、ベストな走りができたと思います。

敗者復活トーナメント Consolation Tournament

小橋がポンを退けてベスト16進出!

  • Consolation Final

    Daychapon Toyingcharoen 86 [ ZN6 ] vs Masanori Kohashi SILVIA [ S15 ]

    デイチャポン・トオインチャロンvs小橋正典
  • デイチャポン・トオインチャロンvs小橋正典
  • デイチャポン・トオインチャロンvs小橋正典

 ソロランで16位以下だった選手はコンソレーションにまわった。コンソレーションでは出走した8名でトーナメントをおこない、優勝した1名が日曜日の追走トーナメントに出走できる。
 ただ、コンソレーションに出走した選手の多くは、S字でリズムをとれない状態だったため、ミスが多く、コースアウトも連発した。そのため進行がどんどん遅れ、ベスト4にはサタール、トオインチャロン(ポン)、シアム、小橋が進出したが、その時点で日没のため競技は終了となり、準決勝以降は日曜日におこなわれた。
 前日までエンジンが絶不調だったトオインチャロン。準決勝の1本めもまともにドリフトできなかったが、次の走行から復活。1本めにサタールがアンダーステアを出していたことにも救われて勝利し、決勝に勝ち上がった。またシアムvs小橋は、シアムが後追いから小橋をプッシュしてしまい、小橋が勝った。
 決勝はトオインチャロン(ポン)vs小橋。1本めは先行のトオインチャロンがいい走りを見せつつ、角度では小橋がうわまわる。2本めは後追いのトオインチャロンのドリフトが、ヘアピンでもどってしまい、小橋が優勝。最後のひとりとしてバトルトーナメント進出を決めた。

  • Consolation Semi Final

    Z. Satar [ ER34 ] vs D. Toyingcharoen [ ZN6 ]

    ザニル・サタールvsデイチャポン・トオインチャロン

    2本め、エンジンが復活したトオインチャロン(ポン)は先行できっちりドリフトを見せ、サタールはアンダーを出してしまった。

  • Consolation Semi Final

    B. Chiam [ S15 ] vs 小橋 正典 [ S15 ]

    ベンジャミン・シアムvs小橋正典

    1本めは、先行のシアムがいいドリフトを見せた。小橋もついていったが入りきれず、角度ではシアムが優勢だった。

  • Pick Up Battle

    K. Park [ BK38 ] vs 小橋 正典 [ S15 ]

    キテ・パクvs小橋正典

    ベスト8では、大きくリズムを崩して敗退する選手が多かったものの、パクは先行時にはいいラインにのせてキレイなドリフトを見せた。

コンソレーショントーナメントラダー

バトルトーナメント Battle Tournament

壊れたタイミングの差でゴーチャが2連覇!

  • Final Battle

    Hideyuki Fujino 180SX [ RPS13 ] vs Georgy Chivchyan SILVIA [ S15 ]

    藤野秀之vsゲオルギィ・チフチャン
  • 藤野秀之vsゲオルギィ・チフチャン
  • 藤野秀之vsゲオルギィ・チフチャン

 前半は車両トラブルとコースアウトが続出した。小橋は1本めの後追いで駆動系トラブルを起こしリタイヤ。ツーチュン・チャオはコースアウト、川畑もコースアウトで敗れた。また横井は2本めに見事な後追いを見せたが、1本めにわずかにアンダーを出したことにより敗退(先行が先に少しでもアンダーを出すと、その時点で先行はゼロポイントとなる)。
 ベスト8でも、エン(チャールズ)がコースアウトのダメージを直せずリタイヤ。ツンクー・ジャン・レイもブレーキ系のトラブルでリタイヤとなった。
 ベスト4に勝ち上がったのは、グレイ、藤野、松井、チフチャン(ゴーチャ)。まずグレイと藤野が対戦した。1本め、藤野は後追いから1コーナーでものすごい寄せを見せる。2本め後追いのグレイも近かったが、藤野ほどではなく、藤野が勝った。
 松井vsチフチャンの対戦は、両者レベルの高い走りをしつつも小さなミスがあり、勝負は再戦にもつれる。再戦1本め、後追いのチフチャンはへアピン手前から多少ラインがずれたものの近い距離を保ったのに対し、2本め後追いの松井は振り出しで引っかかり、チフチャンほどの距離には寄せられない。チフチャンが決勝進出を決めた。なお、3位決定戦はグレイが松井に勝った。
 決勝は藤野vsチフチャン(ゴーチャ)。しかし、1本めのスタート直後に藤野が減速。走行不能になってしまう。駆動系トラブルだった。2本め、チフチャンは勝ち名乗りの1本を走行したが、チフチャンのマシンもゆっくりしか走れない。じつはクラッチが滑っていたのだった。これで、壊れたタイミングのわずかな差によって、チフチャンが勝利。チフチャンがFIAインターコンチネンタルドリフティングカップで2連覇を決めた。

  • 3rd Place Battle

    Y. Matsui [ FD3S ] vs A. Gray [ JZX100 ]

    松井有紀夫vsアンドリュー・グレイ

    1本め、後追いのグレイは1コーナーで後ろにまわってしまったが、置いて行かれることなく松井について行った。

  • Semi Final

    A. Gray [ JZX100 ] vs H. Fujino [ RPS13 ]

    アンドリュー・グレイvs藤野秀之

    2本め、後追いのグレイも藤野についていったが、1本めの藤野ほどは近くなく、角度もやや浅くなってしまった。

  • Semi Final

    Y. Matsui [ FD3S ] vs G. Chivchyan [ S15 ]

    松井有紀夫vsゲオルギィ・チフチャン

    2本め、チフチャン(ゴーチャ)は、S字でわずかにリズムがずれ、ヘアピンではラインが小さくなったが、それでも松井のインを差した。

  • Pick Up Battle

    M. Yokoi [ S15 ] vs C. Kerdpiam [ RPS13 ]

    横井昌志vsチャナッポン・ケードピアム

    横井は後追いでいい追走を見せたが、先行で、S字での振り返し時に少し真っ直ぐ走ってしまったことによって敗れた。

  • Pick Up Battle

    M. Kawabata [ A90 ] vs J. Feng [ E92 ]

    川畑真人vs馮仁稚

    D1グランプリシリーズの終盤にV8エンジンに載せ換えた川畑だが、まだ足まわりもセットアップが煮詰まっていなかったようで、ベスト16で敗れた。

  • Pick Up Battle

    M. Whiddett [ FD3S ] vs T. D. Ley [ E92 ]

    マイケル・ウィデットvsツングー・ジャン・レイ

    ウィデット(マッドマイク)は後追い時に、ヘアピンの進入でスピン。そのまえに接触があり、足まわりにダメージがあったようだ。

トーナメントラダー

優勝 WINNER

Georgy Chivchyan

RUSSIAN DRIFT SERIES
NGK SILVIA [ S15 ]

ゲオルギィ・チフチャン

 決勝ではクラッチがオーバーヒートしてしまっていて…。準決勝くらいから熱ダレしてきているのはわかっていたんですが、決勝ではかなりひどくなっていて、ソフトに扱わないといけないような状況でした。
 で、決勝の1本めはなんとか走りきれたんですが、2本めにはもうクラッチが終わってしまって、ドリフトできる状況ではありませんでした。
 ドリフトはクラッチを酷使するんですけど、ベスト8、準決勝、決勝と、けっこう対戦の間隔が近くて、勝ち上がっていくあいだに、クラッチをじゅうぶんクールダウンさせられる時間がなかったので、こうなってしまいました。
 もし藤野選手のクルマが壊れなかったとしたら、わたしはもうレースを続けることができない状況だったので、幸運だったと思います。そのまえにも相手のクルマが壊れて勝ち上がることができた対戦があったので、今回は幸運だったと思います。
 でも松井選手との対戦はハッピーでした。松井選手とはすごくいい戦いができて、本当に楽しむことができました。もしあのバトルができなかったら、わたしは今日の勝者になったとしても満足できなかったと思います。(※ツンクー・ジャン・レイ選手がリタイヤとなったため)ベスト16とベスト8では合計2本しか走れていないので。
 そんなわけで、もちろんいまはうれしいですけど、100%ではないですね。すみません。

リザルト Result

シャンパンファイト 選手集合写真

最終順位

Pos. No. Driver Team Car Car Color Tire
1 1 Georgy Chivchyan RUSSIAN DRIFT SERIES SILVIA S15 Yellow TY
2 8 Hideyuki Fujino Team TOYO TIRES DRIFT 180SX RPS13 Blue/White TY
3 3 Andrew Gray Team Kazama with Powervehicle & VALINO MARKⅡ JZX100 Red/White/Black VL
4 5 Yukio Matsui Team RE-AMEMIYA K&N RX-7 FD3S Blue TY
5 17 Charles Kaki Ng Team RYDANZ TIRES with T1 Racing SILVIA S14 Blue/White RY
6 14 Jenchih Feng SAILUN Motorsports M3 E92 White/Blue/Orange SL
7 12 Tengku Djan Ley SAILUN Motorsports M3 E92 White/Blue/Orange SL
8 26 Chanatpon Kerdpiam PTT PERFORMA RD-2 ACHILLES RADIAL 180SX RPS13 Black AC
9 6 Masashi Yokoi D-MAX RACING TEAM SILVIA S15 Blue NK
10 4 Michael Whiddett Red Bull / MAZDA / TOYO TIRES RX-7 FD3S White/Blue/Black TY
11 2 Masato Kawabata Team TOYO TIRES DRIFT GR SUPRA A90 Blue/White TY
12 7 Yves Meyer Eventseelisberg 86 ZN6 White/Brown NX
13 16 Zijun Zhao Team RYDANZ TIRES with T1 Racing RX-7 FD3S Blue/White RY
14 10 Wenqian Chen SAILUN Motorsports SILVIA S15 White/Blue/Orange SL
15 15 Ali Mustafa Makhseed KIMSC CHASER JZX100 Black YH
16 19 Masanori Kohashi LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE SILVIA S15 White/Blue LL
17 9 Daychapon Toyingcharoen Team TOYO TIRES DRIFT 86 ZN6 Blue/White TY
18 22 Zanil Satar ATCM - MOZAMBIQUE TEAM SKYLINE ER34 Black GR/VL
19 24 Benjamin Chiam Team Kazama with Powervehicle & VALINO SUPRA JZA80 Black VL
20 18 Luca Merli Team ACI Italia - FFF Drifting Department SILVIA S15 Black
21 25 Toni Tsuyoshi Arakaki MAMBA ORIGIN Labo. with ZEKNOVA TIRES SILVIA S15 Red ZE
22 25 Juan Stemmet DRIFT OUTLAWS SILVIA S15 Green/Purple/Black ZE
23 11 Changhao Xia SAILUN Motorsports GT-R R35 White/Blue/Orange SL
20 Kitae Park Turbo Inside GENESIS COUPE BK38 Black

As per Stewards Decision #2

TIRES = TY:TOYO TIRES AC:ACHILLES GR:GOODRIDE LL:LINGLONG TIRE NK:NANKANG NX:NEXEN TIRE RY:RYDANZ TIRES SL:SAILUN TIRE VL:VALINO TIRES YH:YOKOHAMA ZE:ZEKNOVA TIRES